マーケティングとブランディングの違いと関係性を解説

ブランディングとマーケティングの違いを問われて、スムーズに答えられる人は意外なほどに多くありません。しかしこの2つを混同してしまうと、戦略を上手く進めることもできなくなってしまいます。

それぞれの違いをしっかりと認識することで、企業経営にも上手く活用することが可能です。

今回は、ブランディングとマーケティングの関係性について解説していきます。

マーケティングとブランディングは似ているようで別物


マーケティングとブランディングはよく混同されてしまいますが、似て非なるものです。企業経営にはいずれも大切な戦略なので、しっかりと違いを理解しておきましょう。

マーケティングとは

マーケティングとは、企業がより多くの顧客に対し、自社の製品やサービスを提供し、継続して利益を得るための活動を指します。経営思想家であるドラッカーは、「マーケティングの理想は、販売を不要にするものである」と発信しています。

通常商品の販売をおこなう際には、CMや販促活動を通して買ってもらうためのプッシュが必要です。しかしながら、そうした行動をしなくても、顧客が自ら買いたくなる状態を作ることがマーケティングの最終的な目標になると言えます。

そのためには、顧客のニーズを満たす商品を作り、それを適切に発信することが大切です。

つまり、商品を開発し、戦略を立てること、そして広告宣伝から効果検証に至るまでの流れを一貫して計画し、実行することが欠かせません。こうした商品が売れる仕組みを作ることこそが、マーケティングの正体です。

これを採用広報活動にあてはめたものが、採用マーケティングです。これまでの採用広報活動では、求人広告や紹介会社を利用し、求職者からの応募を待つものが主流でした。

しかし、少子高齢化社会の現代では、このような手法では採用広報活動がうまくいきません。

そこでしっかりと戦略を立て、SNSや自社ブログを活用し、適切な情報を発信し、求職者自らが検索するような流れを立てていくことが重要です。このようにマーケティングは、現代において非常に重要な役割をなすものになっています。

ブランディングとは

ブランディングとは、企業の価値を向上させるための活動を指します。企業価値というと漠然としていますが、数値化できないような見えない価値であるイメージのことです。

例えば「ジュースといえば、コカ・コーラ」といったものや、「高級車といえば、ベンツ」といったものになります。こうしたブランドイメージは、他の企業との差別化になり、競争でも優位に立つことが可能です。

購買活動には、ブランドイメージが大きく影響するため、多くの企業では、ブランディングに力を入れ始めています。仮にブランド力が高い企業が広告やキャンペーンに取り組むと、大きいな結果を生みますが、ブランド力が低い企業が同様のことをおこなっても、効果が薄い場合も多くあります。このブランド力の集合は、ブランド・エクイティと呼ばれるものです。

採用広報活動では、自社の情報発信を通じて、企業自体をブランド化することが大切です。企業自体をブランド化することで、「この会社で働きたい」と考える求職者を増やすことができます。

それにより、他社との差別化が可能になり、採用広報活動を有利にすすめることが可能です。

マーケティングとブランディングがそれぞれ利用される場面


ここまでマーケティングとブランディングのちがいについて解説してきましたが、次にそれぞれがどのようなときに利用されるのかを紹介します。それぞれの目的を把握し、適切に利用することで、最大限の効果を得ていきましょう。

マーケティングの目的は「顧客の創造」

マーケティングの目的は、顧客の創造です。つまり、商品を「買いたい」と思う人を増やしていくことを目指しています。

もともと認知度が高い商品であれば、なにもしなくても購入してもらえる可能性もありますが、そうした商品はごく一部であり、多くの商品では認知を高める活動が欠かせません。

そのため新商品を発売するときや、認知度の低い商品を売り込みたいときに特に重要だと言えます。知らない商品を「買いたい」と思わせるには、魅力ある商品づくりはもちろんですが、適切なターゲットに適切な情報を発信すること重要です。

それによりあらたな顧客を創造していき、マーケットの獲得を実現していきます。採用広報活動においても、同様のことが言えます。少子高齢化により働き手が減少している現代では、多くの企業で苦戦が強いられており、そこで重要なのが、自社で働きたいと考えてくれる求職者の創造です。

そのためにマーケティングを活用していくことが、今後の採用広報活動にも欠かせません。

ブランディングの目的は「記憶に残すこと」

ブランディングの目的は、記憶に残すことです。つまり、顧客に自社の製品を知ってもらい、それを記憶に残してもらうことを目指しています。

これにより、なにか商品を購入する際に思い出してもらう可能性が高まり、結果として選んでもらうことができます。商品を知ってもらうことも大切ですが、それだけではなく記憶に残すことが欠かせません。

いくら認知があったとしても、記憶に残っていなければ選んでもらえる可能性も低くなってしまいます。しかしながら商品のイメージを強く与え、記憶してもらうことさえできれば、商品を選んでもらえる可能性を高めることができ、結果として購買率も高まります。

つまり、顧客の記憶に残すことは、それだけ重要だということです。

採用広報活動においても、自社のイメージを求職者の記憶に残すことが重要です。記憶に残っていれば、他社よりも応募してもらえる可能性が高まり、母集団形成が有利になります。さらに最終的に入社する企業を選ぶ際にも、大きな影響を与えることが期待できます。

多くの求職者は、入社する企業を決める際には家族や友人などに相談します。そのため、それらの人にもブランドイメージが定着していれば、求職者へのアドバイスをする際に思い出してもらえる可能性が高まります。

マーケティングとブランディングの共通点は「顧客に対するアプローチ」


マーケティングとブランディングは、いずれも顧客に対するアプローチであるということが共通しています。そしてどちらも企業経営には欠かせない重要な戦略の一つです。それぞれの違いをしっかりと把握し、適切に利用することで、これまで以上の成績を残すことが可能です。

マーケティングやブランディングというと、採用広報活動にはあまり関係がないようにも感じられますが、実際には非常に重要です。

少子高齢化による働き手の減少は、今後も続くことが予想されます。そのためいち早く採用広報活動にも導入していくことで、有利に採用広報活動を進めることが可能です。

まとめ

今回は、マーケティングとブランディングについて、それぞれのちがいと必要性をメインに解説してきました。いずれも採用広報活動に利用するというイメージがあまりないかもしれませんが、すでに多くの企業が導入を始めています。

そのため少しでも早く自社の採用広報活動にも導入していくことが、今後の採用広報活動を有利に進めるためにも欠かせません。その際には戦略をしっかりと立てることや、自社の情報をあらためて整理することも大切です。

今回の記事を参考に、自社の採用広報活動にもマーケティングとブランディングを導入してみてはいかがでしょうか。

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