企業の採用活動を成功させるには、採用担当者がおこなう仕事の質の高さが欠かせません。
企業によっては採用担当者がおらず、人事担当者が採用担当も兼任する場合もありますが、いずれにせよ質の高さにより、成功如何が左右されます。それでは具体的に採用担当者の仕事とは何でしょうか。
今回は、採用担当者の仕事、そして採用活動を成功へ導く方法についてご紹介します。
目次
採用担当者の仕事
採用担当者の仕事といえば、まず思い浮かぶのが採用活動でしょう。新卒採用や中途採用をはじめ、企業によっては何百人、何千人もの採用をおこないます。
採用活動と一口に言っても、面接だけではありません。会社から振り当てられる採用予算をもとに、年間何人が必要なのかを決める採用計画の立案、会社説明会の実施など多岐にわたります。
まず採用活動を進めるには、採用計画の立案が欠かせません。予算に合わせ、採用必要人数を出していきますが、ただ欲しい人数を出すだけでは採用計画にはなりません。
自社の事業規模の拡大や縮小はあるのか、前年の離職人数は何人いるのか、そして次年度の離職予定者は何人なのかといったデータをもとに必要になる人数を割り出します。
こうしてできた採用計画をもとに、求人募集を開始します。求人募集で一般的なのは、求人媒体に求人広告を出すこと、オウンドメディアを利用すること、そして中途採用の場合には紹介会社を利用することも挙げられるでしょう。
そうして応募者を集めた後にようやく採用面接の実施です。その後採用面接を通過した求職者に対し、内定連絡、内定後フォローをおこないます。
採用担当者の代表的な仕事である採用活動一つとっても、これだけのステップを踏む必要があります。膨大なタスクと責任の上に、採用担当者の仕事は成り立っていると言えるでしょう。
採用で終わりではなく社員の定着にも注力する
採用担当者の仕事は、採用活動にとどまりません。優秀な人材を採用することはもちろん大切ですが、入社した後の定着率の向上にも注力しなければなりません。
どの企業も優秀な人材の採用に注力しますが、入社しただけで満足してしまい、その後のフォローをおざなりにしてしまうと、退職者が増えてしまう可能性もあります。そうならないためにも、採用担当者は社員の定着にも注力することが大切です。
社員の定着率向上にはさまざまな手法がありますが、今回は「福利厚生の導入」「採用後の新入社員へのケア」「会社情報の発信方法」の3つについて解説します。
福利厚生の導入
定着率の向上のために、働く環境整備の一環として福利厚生を導入することも重要です。給料や休日を増やすことも大切ですが、福利厚生の充実によって企業の魅力度を高めることで、退職者を減らすことが期待できます。
福利厚生と言っても、「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類があります。
法定福利厚生
法定福利厚生とは法律で定められたもので、企業が費用を負担して従業員に提供することが決められています。具体的には社会保険と子ども・子育て拠出金のことです。
法定外福利厚生
一方で企業が独自に導入するものが、法定外福利厚生であり、最近ではスポーツクラブの利用割引、無料の社員食堂など、様々なものがあります。
法定福利厚生はどの企業でも受けられるため、法定外福利厚生の導入により、従業員に魅力づけをすることが重要になってきています。
採用後の新入社員へのケア
採用後の新入社員へのケアも採用担当者の重要な仕事の一つです。新入社員は、業務内容はもちろんのこと、企業文化に馴染むまでにも時間がかかります。そのため、しばらくの期間しっかりと様子を見て、フォローをしていくことが大切です。
特に新卒入社の場合には、社員として働くことが初めてのため、緊張感や仕事に対する不安感は高まります。まわりとすぐにコミュニケーションを取ることができないケースもあるでしょう。
そうしたときに適切なフォローがないと、職場に十分に馴染めずに退職に至ってしまうケースが考えられます。これは新卒入社に限らず、中途入社の場合も例外ではありません。
中途入社の場合には、同じ職種でも業種が違うだけで、仕事の進め方や考え方も大きく異なります。そこで上手く馴染めずにいると、能力を十分に発揮できないばかりか、うつ病などにつながる可能性も考えられます。
そのため採用担当者は新卒入社の社員のみならず、中途採用の社員にも目を配り、適切なケアをおこなうことが大切です。
具体的には、適度に声掛けをおこなう、上司やまわりとのコミュニケーションの架け橋になるなどが挙げられます。特別な対処をおこなうことも大切ですが、日頃の声掛けなど何気ない対処でも十分に効果を上げることが可能です。
会社情報の発信方法
会社の情報を適切に発信することも大切な仕事の一つです。会社情報を発信することで、就職顕在層や潜在層に自社を認知してもらうことができます。それにより「この会社で働きたい」と思ってもらうことができ、企業の魅力が増していきます。
こうした活動は、求職者のみならず、自社で働く従業員に対しても自社のイメージの向上につなげることが可能です。
求職者に向けた情報を発信することで、その情報を閲覧した従業員が自社の魅力を再発見する可能性があります。そのため常に適切な情報を発信することで、定着率の向上につなげることが可能です。
情報の発信方法には、採用パンフレットや自社ホームページ、TwitterやInstagramなどのSNS、ブログなどが挙げられます。
特に採用ホームページや各種SNSのであれば、場所や時間を問わず、いつでも手軽に閲覧することができるため、多くの人に見てもらうことが可能です。
そのため求職者だけではなく、自社で働く従業員にも見てもらえる可能性が高まるためオススメです。
採用広報担当者は求職者へ発信する情報を常に考える
採用担当者は求職者へ発信する情報を常に考えることが大切です。採用担当者が自社目線で考えていると、求職者の求める情報に気付くことができず、採用活動が上手く進みません。
そのため採用担当者は自社目線だけでなく、求職者目線で物事を見るようにしなければなりません。
求職者が入社する会社を決める際には、「どのような事業をしているのか」「他社との違いはなにか」「企業の存在価値はなにか」といった情報から、「どのような環境なのか」「どのような社員が働いているのか」といった情報が重要になります。
さらに入社を決める際には、家族や友人、先輩などさまざまな人に相談する場合もあるため、求職者以外の周囲への情報発信も大切になります。
認知度が低い場合には、求職者自ら周囲へ情報を届ける可能性もあるため、求職者に対する情報発信の重要性が高まります。これらを踏まえ、採用担当者は求職者へ発信する情報を常に考えることが大切です。
まとめ
採用担当者が採用活動を成功へ導くには、採用だけではなく、採用した後の定着率の向上も考えることが欠かせません。そのためには福利厚生の導入、新入社員へのケア、適切な情報の発信をおこなうことが大切です。
採用担当者が求職者目線を持ち、何を求めているのかを考えることで採用活動もうまくいくようになります。採用担当者の考え方一つで、企業の採用活動の成功度合いも変化します。そのため今回の記事を参考に、採用活動を見直してみてはいかがでしょうか。