少子高齢化による働き手の不足が深刻化しています。そのため各社採用活動に力を入れ、人材不足解消を目指しています。そこで重要なのが、求職者の心を掴むことです。
どれだけ広告費をかけて情報を発信しても、求職者の心を掴めなければ採用活動は成功しません。それではどのようにして、求職者の心を掴めばよいのでしょうか。
今回は、求職者の心を掴む採用活動とはなにかを解説していきます。
目次
求職者は何を求めているのか理解する
求職者の心を掴むためには、まず求職者がなにを求めているのかを理解することが大切です。
求職者が求めているものを理解せずに発信していても、採用担当者が伝えたいことを伝えるだけの一方通行状態になってしまいます。
そこで今回は、新卒採用の場合と中途採用の場合に分けて解説していきます。
新卒採用の場合
新卒採用の場合には、働くことが初めてなのでより多くの情報を求めています。
実際にどのような業務を任されるのか、給料はどのくらいか、キャリアアップはどのようなものかといった条件面はもちろん、どのような人と働くのか、働く場所はどのようなところかといった環境面など多岐にわたります。
そのためできる限り多くの情報を見やすく発信することが大切です。
中途採用の場合
中途採用の場合には、すでに働いた経験があるので、その経験を活かすことができるかどうかという情報を求めています。
どのような業務を担当するのか、どのようなキャリアプランが描けるのか、どのような事業展開があるのかなど、新卒採用に比べてより具体的な情報を求めています。
そのためできる限り働く姿がイメージできるような情報を発信することが大切です。
給与以外で注目されやすい内容は?
求職者は基本的に給与を気にしています。給与のために働いているわけではないという人も多くいますが、生活をするための必要最低限の給与は誰しも必要です。
そういった意味では、働くすべての人が給与を気にしていると言えるでしょう。一方で、給与以外にも注目されやすい内容がいくつかあります。
今回はその中から、「福利厚生の充実」「社風の紹介」「従業員の紹介」の3つに絞って解説していきます。
福利厚生の充実
まずは福利厚生の充実についてです。そもそも福利厚生とは、企業が従業員に対して提供する給与以外のサービスを指します。
福利厚生は、法定福利厚生と法定外福利厚生の2つに大別されており、その充実度が従業員満足度や人材獲得にも影響します。
法定福利厚生は、法律で提供が義務付けられている福利厚生です。そのため、どの企業にも必ず整備されているものになります。
具体的には、社会保険料の負担を指しており、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険、労災保険、子ども・子育て拠出金の6つがあります。
法定福利厚生は義務付けられているため、企業毎に差はありません。そこで企業の魅力づけのために各社が自発的に取り入れているのが、法定外福利厚生です。
法定外福利厚生は、企業が自由に導入することができるため、種類も非常に豊富になります。その内容としては、家賃補助や社宅、人間ドッグや弔慰金、社内食堂やカフェの設置、アニバーサリー休暇や財形貯蓄などがあります。
しかしながら、導入は企業の自由であるため、法定外福利厚生がまったくないという会社も珍しくありません。求職者にとって福利厚生は大きな魅力になるため、しっかりと発信していくほうが良いでしょう。
社風の紹介
次に社風の紹介です。求職者は働く際に、どのような環境なのか、どのような雰囲気なのかといったことを気にしています。そのため、ミッションやビジョン、バリューなどの経営理念について発信することが大切です。
また、そうした情報は求職者には伝わりづらい場合もあるため、自社で働く人以外にも伝わりやすい言葉にすることも必要です。
文章だけでは伝わりづらい場合もあるため、できる限り写真を使用し、雰囲気が伝わるようにすると良いでしょう。働く社員の雰囲気や研修の様子、各種レクリエーションの場など、求人媒体では得られないような情報を求職者は求めています。
写真を載せる場合には、自社の雰囲気に合った写真にすることも大切です。楽しさや明るい雰囲気を伝えたい場合と、落ち着きや真面目な雰囲気を伝えたい場合では、使用する写真も大きく異なります。
自社がどのような雰囲気を伝えたいのかを明確にし、適切な雰囲気を伝えるようにしましょう。
従業員の紹介
3つ目は従業員の紹介です。通常こうした情報は、求人票からは得られないため、求職者が注目する情報のひとつです。
特にインタビューや従業員からのメッセージは、リアルな声が聞けるため、求職者の心にも届きやすくなります。
求職者はここから会社の雰囲気や自分にもできそうか、どのようにキャリアアップができるのかを見ていくため、一人ではなく、複数人分を発信することがおすすめです。
またその際には複数の職種や年齢、社歴で分けると良いでしょう。また新卒社員と中途社員で分けることにより、求職者としてもより働くイメージが湧きやすくなります。
求職者は自分のやりたいことができるのかどうかという視点を持っていますが、どのような未来像を描けるのかといった視点も持ち合わせているため、それに対応した情報の発信も大切です。
求職者を自社のファンにする
求職者の心を掴み、自社のファンにすることができれば、これほど心強いことはありません。ファンになってもらうことができれば、入社してもらえる可能性も高まるほか、自社製品やサービスを選んでくれる可能性も高まります。
なによりファンになってもらうことができれば、自社を好意的に見てもらうことが可能なので、競合他社との人材獲得競争も有利にすすめることができます。
求職者をファンにする方法
それではどのように求職者をファンにしていけばよいのでしょうか。そこで重要なのが、求職者の心を掴むことです。そのために自社をブランド化し、魅力づけをおこなうことが大切です。
最近ではSNSを利用する企業も増えてきました。これまでに紹介した情報をSNSで発信することで、これまで以上に多くの求職者に対して自社をアピールすることが可能になりました。
また自社を知らない求職者に見てもらえる可能性もあるため、積極的に発信していくことが大切です。SNSは手軽に拡散することができるため、強く関心を惹くことができれば多くの求職者の心を掴むことが可能です。
他にも動画を活用し、魅力あるコンテンツを発信することもファン獲得にとって重要です。言葉や写真では分かりづらかったことも、動画を使うことで解消できます。
まとめ
今回は、求職者の心を掴む採用活動において何が大切なのかを中心に解説してきました。求職者は働くことに対して、多くの期待を抱くとともに、不安も抱えています。
そのため、会社目線だけではなく、いかに求職者目線を持てるかが大切です。常に求職者が何を求めているのかを考え、それに対して適切な情報を発信することで、求職者の心を掴むことができます。
今回の記事を参考に、求職者の心を掴む採用活動に取り組んでみてはいかがでしょうか。