自社ブランディングとブランド化の成功が与える影響について解説

企業の経営活動はもとより、最近では採用活動においても「ブランディング」という言葉を耳にすることが増えてきました。自社のサービスや製品をはじめ、企業自体の魅力を見極め、ユーザーに認知してもらうための活動をブランディングといいます。

ブランディングを適切におこなうことで、他社との差別化が可能になり、自社が選ばれる理由づくりが可能です。

今回は自社ブランディングについて、成功事例とともにご紹介します。

自社ブランディングとは

自社ブランディングとは

自社ブランディングとは、自社のサービスや製品、企業自体の魅力を認知してもらうための活動です。具体的には「どのような事業をおこなっているのか」「どのような価値を提供しているのか」といった情報を発信します。

こうした情報を発信することで、自社の魅力を適切に伝えることができ、他社との差別化も可能です。仮に業界内で高い需要があったとしても、それを求職者やユーザーに認知されていない場合もあります。

認知が高まれば、母集団形成や内定承諾率も高めることが期待できます。そのため、最近では多くの企業が自社ブランディングを強化することで、採用活動でも成功を収めています。

なぜ”ブランド化させる”ことが重要なのか

なぜ自社ブランドが重要なのか

自社ブランドを明確にし、認知度を高めることで、消費者のニーズを高めることが可能です。採用活動においては、求職者からの応募意欲や入社意欲を高めることができるため、ブランディングの重要性は年々高まっています。

これまでは企業活動に専念し、あとは選ばれることを待つだけの受け身の姿勢でも成り立つケースが多くありましたが、少子高齢化やグローバル化、IT化の影響もあり、それでは成り立たなくなってきました。

そのためブランディングをおこない、選んでもらうために能動的に動く姿勢が大切になります。ブランディングを成功させることで、最終的には企業活動に専念することができるため、効率的な会社運営も可能になります。

営業・集客面での効果

ブランディングをおこなうことで、営業や集客面での効果が大きく現れます。ブランディング戦略により、自社をブランド化することで認知度を高め、効果的な魅力づけも可能です。それにより、消費者のニーズも高まり、選ばれやすい企業になっていきます。結果的に営業や集客面での効果が大きくなっていきます。

採用面での効果

採用面においては、母集団形成と内定承諾率の増加が期待できます。少子高齢化により売り手市場が続いているため、多くの企業では母集団形成に課題を抱えています。しかし、ブランド化に成功すれば、「あの会社で働きたい」という求職者を増やすことができるため、母集団形成につなげることが可能です。

また求職者は入社する企業を選ぶ際には、家族や友人に相談をします。その際にもブランディングが成功していれば、高い支持を得られる可能性が高まるため、内定承諾率の増加も期待できます。

自社ブランディングとマーケティングの関係

自社ブランディングとマーケティングの関係

ブランディング戦略を進めるには、マーケティング戦略も並行しておこなうことが大切です。しかし、「マーケティング戦略」とはなにかを知らないと、並行しておこなう事もできません。それぞれの違いを認識し、並行して進め、最大の成果を得られるようにしましょう。

そもそも「ブランディング」と「マーケティング」は別物です。

「ブランディング」も「マーケティング」もよく耳にする言葉ですが、その意味を混同してしまうケースも多く見受けられます。しかし、この2つを混同してしまうと、戦略を成功に導くことができず、どちらも中途半端に終ってしまう結果になります。

ブランディングとは

まず「ブランディング」ですが、これはサービスや製品、企業自体を認知させる活動のことです。具体的には「何をしている会社なのか」「どのような価値を提供しているのか」といったことを明確にし、自社の強みや魅力を言語化します。そして「〇〇といえば、あの会社」と思ってもらうための土台作りです。

マーケティングとは

一方で「マーケティング」は、ブランディングした情報をもとに市場や消費者にアピールしていく活動を指します。具体的にはテレビCMやWeb広告、SNSでの発信などが挙げられます。

つまり、ブランディングで土台を作り、マーケティングで種を蒔くというイメージです。この点を意識して、それぞれの戦略を立てるようにしましょう。

「ブランディング」と「マーケティング」は同時に行う

ブランディングとマーケティングは、それぞれ独立しておこなうのではなく、同時におこなうことが大切です。いくらブランディングで魅力的な自社のイメージを決めても、それが認知されなければ意味がありません。また、マーケティングをおこなおうとしても、自社ブランドが明確でなければ活動できません。

そのためどちらか一方ではなく、同時に2つの戦略を進めるようにしましょう。

ブランディングの成功事例

ブランディングの成功事例

ブランディング戦略の成功率を高めるために、実際の成功事例をご紹介します。これらの事例から、自社に取り入れられるものを考え、実際に行動することをオススメします。

成功事例:その①「無印良品」

現在、国内・海外で900店舗を展開する「無印良品」は、もともと西友のプライベートブランドとして誕生しました。その後「良品計画」となり、現在の企業スタイル担っています。

無印良品は、「良品価値の探求(Quest Value)・成長の良循環(Positive Spiral)・最良のパートナーシップ(Best Partnership)」という企業理念を大切にし、独自の世界観を持っています。アパレルや雑貨、文房具をはじめ、食品に関しても無印良品らしさを感じる商品展開をおこなうことで、多くのファンを獲得することに成功しました。

企業理念に即した、徹底したブランドの統一感を大切にブランディングに成功した事例です。

成功事例:その②「Apple」

iPhoneやMacbookなど、革新的な製品を数多く生み出し、世界中にファンを抱える「Apple」もブランディングに成功した企業です。Appleはその独自のデザインや洗練された操作性で、多くのファンを獲得しましたが、成功の秘訣はブランディングにあると考えられます。

Appleは、自社製品を販売する専用店舗である「アップルストア」を構えたことで、商品購入時だけではなく、修理や新製品のデモもおこないました。これによりユーザーの愛着心や仲間意識が強まり、長らくファンを抱え込むことに成功しています。また、多くのユーザーが集まることで、他社製品のユーザーからの乗り換えも増やしています。

成功事例:その③「ルイ・ヴィトン」

LとVを組み合わせた独特のモノグラム柄を筆頭に、世界中に多くのファンを持つ「ルイ・ヴィトン」は、「多くの荷物を持って移動する、中上流階級のためのトランク」というテーマを掲げ、誕生しました。

生産量をあえて絞り込み、ターゲット層である中上流階級に合わせ、テレビCMは一切おこなっていません。こうして露出を控え、生産量を抑えたことで「特別感」や「限定感」を演出し、誰もがあこがれるブランドとして認知させることに成功しました。

まとめ

採用活動を成功させるためには、会社としてのブランド化を成功させることも重要です。会社自体をブランド化させることにより、認知度も高まり、多くの支持や共感を得ることができます。

それは求職者の「あの会社で働きたい」という感情にも繋がりやすいため、ブランド化戦略を進めることが今後重要度を増すでしょう。

そしてブランド化を進めるに当たり、マーケティング戦略も欠かせません。どちらか一方だけではなく、両方を進め、効果的な採用活動に生かしていくことがオススメです。

今回の記事を参考に、自社のブランド戦略とマーケティング戦略を進め、採用活動の成功に役立ててはいかがでしょうか。

松尾優希

松尾優希

片田舎に住むマーケティングディレクターであり2児の父。スーパー戦隊シリーズとウルトラマンシリーズ、ウイイレ、無双シリーズが大好き。カフェインとカロリーが好物。

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