離職率が高くなってしまう原因とは?離職率の対策について解説!

少子高齢化による働き手の不足は、多くの企業にとって人材不足やそれに伴う採用コストの増大など、数多くの問題を発生させています。母集団形成や内定フォローに苦戦する採用担当者も多いのではないでしょうか。

しかしながら企業を襲う問題はそれだけではありません。最近では離職率の高さが問題になり、採用担当者の頭を悩ませています。今回はこの離職率について、詳しく解説していきます。

離職率とは?

離職率とは?


企業の採用担当者を悩ませる離職率ですが、そもそも離職率とはどういったものなのでしょうか。離職率とは厳密に定義されたものではないため、採用に関わる人以外にはあまり浸透していないかもしれません。

一般的に離職率とは、一定期間のうちにどれだけの社員が離職したかを表す指標になります。多くの企業が一年間に定め、数値計測をおこなっています。

離職率と似た用語に定着率がありますが、こちらは一定期間のうちにどのくらい退職していないかを表す指標です。離職率と対になる指標で、採用担当者はこのどちらもしっかりと把握しておくことが大切です。

離職率は明確な定義がないため、確立された計算方法がありません。そこで人材業界で広く使われているものを紹介します。例えば、

「ある年に新入社員が50人入社したが、そのうち10人が退職した」という場合には、「10名÷50名×100=離職率20%」というように計算をおこないます。

この計算式で求められた離職率をもとに、離職率を下げるための様々な施策を打ち出していきます。

離職につながってしまう原因

離職につながってしまう原因


それではどのような要因が、離職につながってしまうのでしょうか。その原因をしっかりと把握し、離職率の改善に取り組むと良いでしょう。

数ある理由の中から今回は、「入社前後のギャップ」「給与と作業内容が釣り合わない」「職場の人間関係」の3つをご紹介します。

入社前後のギャップ

まずは、入社前後のギャップです。求職者は働く前に様々な期待を持っています。「どのような働き方ができるのだろうか」「どのような仕事を任せてもらえるのだろうか」「どのような人たちと働けるのだろうか」など、その数は多岐にわたります。

基本的には入社までのプロセスで、何度も話し合いを繰り返しているはずですが、些細な認識の違いからもギャップは発生します。

また、企業説明会や面接等のフローを通過してしっかり話をしていても、求職者は自分自身でホームページなどから情報を集めるため、そこからもギャップが生まれる可能性があります。

一般的にホームページには、良い点に着目して掲載されているため、求職者の中で期待値が高まる可能性があるのです。

入社前の期待値が大きいほど、入社後のギャップに悩まされる可能性も高いため、入社前にはメリットだけではなく、デメリットについても伝えておくことが大切でしょう。

給与と作業内容が釣り合わない

次に、給与と作業内容が釣り合わない場合です。これは新入社員よりも中途入社の社員や入社後数年経った社員に起こりうるものです。

抱えるタスクや責任が重くなるほど、求める給与も高くなりますが、それに見合った給与が支払われていない場合、従業員の心は離れていきます。

労働の対価として支払われる給料ですが、最近では長時間労働や残業の発生が増えているため、企業としては残業の削減や働き方の見直しを迫られています。

しかしながら、すぐに変更できるものではないため、結果的に離職を招いてしまっています。また、ワーク・ライフ・バランスが叫ばれる現代では、よりこの視点は大切になっていくでしょう。

職場の人間関係

最後は、職場の人間関係です。働く上で、人間関係は切っても切り離せません。どのような企業にも人が関わっており、仕事をするには円滑な人間関係が欠かせません。

これがしっかりと構築できない場合は、働くことが嫌になったり、生産性が下がったりする可能性が高まります。

最近ではパワハラやセクハラ、アルハラなど様々なハラスメントが横行しています。それらに対し、しっかりと向き合い対策をしていくことが求められています。

従業員の定着率を上げる方法

従業員の定着率を上げる方法


離職率が高まる理由を見てきたところで、従業員を定着しやすくする方法について見ていきましょう。従業員を定着しやすくするにはいくつかの方法がありますが、今回は「入社後のフォローアップ」「福利厚生の充実」「給与待遇の見直し」の3点を解説していきます。

入社後のフォローアップ

まずは、入社後のフォローアップです。採用は入社させて終わりではありません。入社してもらうことはあくまでもスタートであり、その後どのように定着させ、どのように活躍してもらうのかが大切です。

そこで入社してからは、定期的に面談をおこなったり、適切な声掛けをおこなったりしていくと良いでしょう。入社してから職場に慣れたかどうか、仕事に対して疑問や不安はないかなどを丁寧にヒアリングしていきます。

また、最近ではフォローアップのためのツールも提供されています。

直接話しにくいことやなかなか話すことができない場合に対し、メール機能などを利用してコミュニケーションを取れるものなど、さまざまなものがあるので適宜活用するのもおすすめです。

福利厚生の充実

次に、福利厚生の充実です。福利厚生には「法定福利厚生」「法定外福利厚生」の2種類があります。法定福利厚生は、社会保険の支払いなど義務化されているものです。

そのため、企業毎に差が出るものではありません。一方で法定外福利厚生は、義務ではなく任意のものになるため、企業毎に大きな差が現れます。法定外福利厚生の代表的なものとしては、リゾート施設の割安利用や社宅・寮の完備、各種手当ての支給が挙げられます。

仮に給与が低い場合にも、福利厚生を充実させることで満足感が高まることも期待できます。またそうした制度があることで、従業員の愛社精神が高まる場合もあります。そのため最近では、福利厚生に力を入れる企業も増えています。

給与待遇の向上

最後は、給与待遇の向上です。こちらは企業の業績や規模によっても大きな変動があるため、簡単に見直しができるものではありません。

しかしながら、給与待遇の向上は従業員の大きなモチベーションアップにつながるため、長期的に見るとメリットも多くあります。また、現在の給与に対して不満がある従業員の納得感にもつながります。

帰属意識の向上は離職率を下げる要因になる

帰属意識の向上は離職率を下げる要因になる


離職率を下げるには様々な方法がありますが、会社に愛着を持ってもらうことが離職率を下げる要因にもなります。そのため採用担当者は、どのようにして愛着を持ってもらうのかについて考えていくことも大切です。

条件面の向上は、一時的な改善にはつながりますが、長期的な対策としてはあまり向いていない場合もあります。

そのため、従業員がなにに不満を抱えているのか、それに対してはどのようなアプローチが必要なのかを考えていくと良いでしょう。

まとめ

今回は、離職率が高くなってしまう原因とその対策について解説してきました。人材採用には多くのコストがかかっているため、離職率の低下は企業にとって必須です。

働き方が柔軟になり、いかにして従業員のモチベーションを高めるかが必要になっています。

今回の記事を参考に、離職率の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。

松尾優希

松尾優希

片田舎に住むマーケティングディレクターであり2児の父。スーパー戦隊シリーズとウルトラマンシリーズ、ウイイレ、無双シリーズが大好き。カフェインとカロリーが好物。

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