新卒採用で採用された場合には、会社からはどのようなことが期待されるのでしょうか。
新卒採用とは一般的に、高卒あるいは大学卒業後の求職者を対象にしたものです。
新卒採用と並行して中途採用をおこなっている企業もありますが、新卒採用の場合には一体どのようなことが期待されるのでしょうか。
今回は、新卒採用された方が会社から期待されることはなにかをメインに解説していきます。
目次
中途採用と新卒採用の違い
そもそも中途採用と新卒採用はなにが違うのでしょうか。まず、新卒とは「学校を卒業してすぐに就職をする人」を指します。
高校や専門学校、大学卒業後になるため、年齢としては18歳〜22歳程度になります。一方で中途採用はそうした制限がなく、学校卒業後3年以上の求職者も含まれます。
そのため30代以上も多く存在し、市場も大きくなります。他にも能力や経験などの違いもあり、その点を意識しておくことが大切です。
中途採用の多くは即戦力として期待される
中途採用の多くは即戦力として期待されます。
中途採用の場合には、すでに社会人としての経験もあり、基本的なビジネスマナーや実務能力も身についていると考えられます。
そのため中途採用をしている企業では、即戦力になると期待して採用を進めています。
新卒採用は会社の将来への投資
一方で、新卒採用は会社の将来への投資として考えられています。
中途採用と違い、まだ社会人経験がないため、実務能力はもちろんのこと、ビジネスマナーも身についていないと考えられます。
そのためイチから教育を進める必要があり、それを将来への投資だと考えるいわば「ポテンシャル採用」と考えられています。
新卒採用は即戦力ではなく、一緒に働ける人が重要
中途採用と違い、新卒採用は即戦力ではなく、一緒に働ける人かどうかが重要です。
中途採用の場合には、すでに経験や能力を備えているため、ある程度一人でも仕事を進めることができますが、なにも身についていない状態の新卒採用ではそうはいきません。
そのため、他の社員たちと一緒に働ける人かどうかが重要視されます。そこで大きなポイントになるのが、「会社の価値観」です。具体的に解説していきます。
会社の価値観を共感できるかがポイント
新卒採用の場合には、学生の経験しかなく、会社がどういうものか、働くとはどういうことかなど、そうした価値観も出来上がっていません。
そこでその価値観を作り上げ、自分なりの哲学を持ち合わせることが重要です。
中途採用される多くの求職者は、そうした哲学を持ち合わせており、それに基づき行動を選択したり、思考を深めたりします。
ただし、新卒採用の場合にはそれがないため、入社した会社で作り上げていくことになります。
作り上げていく要素としては、働く会社の環境や関わる社員、仕事内容など様々な者があります。
それらを自分なりに考え、組み合わせ、吸収していくことにより自分なりの価値観が出来上がります。
そうして出来上がった自分なりの価値観は非常に大切ですが、同時に考えておかなければならないのが、会社の価値観です。
会社としてどのような方向性で仕事をしていくのか、会社として何を目指しているのか、会社としてどのような判断基準を持ち合わせていくのかなど、会社の価値観は多岐にわたります。
大抵の場合、それらは「ミッション、ビジョン、バリュー」として経営理念となり、会社の軸になっています。他にも企業文化や風土なども会社の価値観と言えます。
それらに自分の考えを照らし合わせ、共感していけるのかが重要です。
あまりにも自分の考えとは異なり納得できない場合には、自分としても働くことがつらくなりますし、会社としても扱いづらい人物になってしまいます。
そこで会社の価値観を共感し、一緒に働ける人なのかどうかが重要であり、新卒に求められるポイントになります。
離職を防ぐポイントは入社前後のギャップ
会社として新卒採用に対しての懸念点としては、早期離職です。採用には多大なコストが掛かり、それらは人的コスト、時間的コスト等多くのものが含まれます。
新卒採用の場合には、一人あたりの採用費は約73万円とも言われており、それだけに早期離職はなんとしても避けたいものです。
それではなぜ早期離職が起こってしまうのでしょうか。
その理由にはいくつもの要因があり、その対応にもいくつかの方法がありますが、今回は「『想定と異なる』と思われない為の採用広報活動」「求職者のニーズに応える情報発信が重要」の2つに絞り、解説していきます。
「想定と異なる」と思われない為の採用広報活動
まずは、「想定と異なる」と思われない為の採用広報活動が必要です。
企業としては、採用活動をおこなう際に、母集団形成や内定者を増やすために必死で会社のアピールをおこないます。
求人媒体や紹介会社に掲載する求人票には多くの魅力を書き連ね、いかに良い会社なのかを伝えようとします。
しかし、そうした求人票は大きなリスクを備えています。良い点ばかりが書かれた求人票を見た求職者は、実際以上に会社を美化し、そして期待値を高めます。良い点が多く書かれているほど、その傾向は高くなるでしょう。
そうした期待値を持って入社した際に、大きなギャップとなってしまう可能性があります。求人票の内容に誤りがなかった場合にも、求職者は勝手なイメージを抱く可能性もあるため、離職のリスクは高まります。
会社説明会やインターンシップ、見学会などを通して実際の職場を見ている場合には問題ありませんが、それらがなかった場合には気をつけるようにしましょう。
これらを避けるには、良い点だけでなく、悪い点や懸念点も書いておくことが重要です。
「そうした点を書くと、求職者に避けられるのではないか」と考える担当者もいるでしょうが、逆にこうした点を書いておくことで求職者の期待値を過度に上げることを防ぐこともでき、ギャップも防ぐことが可能です。
どれだけ優れた会社にも、必ずデメリットはあると割り切り、自社のデメリットも発信するようにしましょう。
求職者のニーズに応える情報発信が重要
次に求職者のニーズに応える情報発信が重要です。採用担当者や会社が伝えたいことばかり発信していると、求職者は置き去りにされているように感じたり、興味を失ったりしてしまいます。
そのため求職者目線を持ち、求職者がどのような情報を求めているのかを考えながら発信していくことが重要です。
そのためにも常に求職者や市場の動向を確認し、ニーズを把握しておくことが欠かせません。
求職者のニーズを的確に捉え、自社の魅力を存分に伝えるように意識するようにしましょう。
まとめ
今回は、新卒採用された方が会社から期待されることはなにかを中心に、求職者側と企業側の両面から解説してきました。
新卒採用には新卒採用の魅力や強みがあり、中途採用には中途採用の魅力や強みがあります。
それらをしっかりと把握し、うまく使い分けていくことにより企業の人材も強化することが可能です。今回の記事を参考に、自社の採用を見直してみてはいかがでしょうか。