採用活動をしていると、様々な場面で目にしたり、耳にしたりする機会の多い採用広報。
最近ではインターネット上にも多く掲載されているので、採用担当者であれば一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、具体的に採用広報とはなにかと聞かれても答えられないという人もいると思います。そこで今回は、採用広報について、なぜ採用広報に必要なのかという観点を踏まえながら紹介していきます。
目次
採用活動の目的
そもそも企業はなぜ採用活動をするのでしょうか。その答えはいくつもありますが、一番明確なことは、必要な人材を集め、事業を繁栄させることにあるでしょう。「企業は人なり」と言われるように、企業に人材は欠かせません。世の中の仕事はもれなく、誰かとおこなっているため、そこに人がいなければ成り立ちません。そのために企業には、働いてくれる人材が欠かせません。もちろん働いてくれれば誰でも良いというわけではなく、企業や部署によって求める人材は異なります。
そのニーズを的確に捉え、そして採用するために採用活動をおこないます。しかし、採用活動は様々な内容があり、一つ一つをしっかりとクリアしていかなければ成功させることはできません。それでは一体なにをすればよいのかを解説していきます。
採用活動は求人媒体に掲載するだけではない
採用活動は、求人媒体に掲載するだけではありません。
採用活動というと、求人媒体に求人票を掲載すればあとはうまくいくというイメージがあるかもしれませんが、そう簡単には進みません。
一昔前の採用活動であれば、そうした手法も有効でしたが、少子高齢化による働き手の不足や働き方改革による働き方の多様性など、さまざまな要因が企業における採用活動のあり方を変化させてきました。
これまでの採用手法はいわゆる「待ちの採用」でしたが、最近の採用手法はオウンドメディアを活用したダイレクトリクルーティングが主流となっており、従来の手法とは異なり、「攻めの採用」と呼ばれる様になっています。
これまでの求人媒体の利用だけではなく、TwitterやInstagramなどのSNSを採用活動に取り入れたり、オウンドメディアを活用し、求人媒体では掲載できなかった内容を掲載したりするなど、採用手法のあり方も大きく変化しています。
そのため採用活動は、求人媒体に掲載するだけではありません。
企業が求める人材を明確にする
採用活動の中にもいくつか大切なことがありますが、まず大切なことは企業が求める人材を明確にすることです。求める人材は、部署によっても違いますし、会社の成長段階によっても異なります。
どのような能力が必要なのか、どのような考え方を持っているのか、どのような経験をしてきたのか、そうした点を細かく決めておくことが欠かせません。
マーケティングの世界では、これを「ペルソナ設定」と呼び、このペルソナ像をもとにマーケティング戦略を整えていきます。
最近ではこの手法を採用活動にも取り入れる企業が増えています。年齢や家族構成、趣味や経歴、思考性などかなり詳細に渡り決めていくことで、求める人材を明確にすることができ、ミスマッチも避けることが可能です。
また、そのペルソナ像を社内で共有することにより、共通言語となるためおすすめです。
カルチャーフィットしやすくなる情報発信
ペルソナ設定により求める人材が明確になったら、そのターゲットに向けて情報発信をしていきます。その際に重要なことは、カルチャーフィットしやすくなる情報発信を心がけることです。
ペルソナ設定をし、求人票を作成しているため、多くの場合ミスマッチになるような人材からの応募は減っていくと考えられます。
しかしながらマッチしていない求職者も応募をしてくれる可能性があるため、面接の際にはしっかりと見抜くことが欠かせません。
ペルソナ像をもとに、自社に合っているのか、これまでの経験はどうか、必要なスキルは持っているのか、考え方はどうかなど、しっかりと確認していきます。
それでも入社後にミスマッチが起こる可能性はゼロではありません。また、企業文化に合わなかったという場合もあるでしょう。
そうしたカルチャーフィットしなかったことによる退職を減らすためにも、適切な情報発信は欠かせません。
カルチャーフィットをしていれば、実力を遺憾なく発揮できますし、場合によっては実力以上の活躍をしてくれる可能性もあります。
そこでいかにカルチャーフィットをしやすくするための情報発信ができるかを考えていきましょう。
多くの求職者は自分が会社にマッチするのかに不安を抱えています。その不安には、企業がどのような文化なのか、どのような考え方をするのかなど、カルチャーについてのものが多く含まれています。
そこで情報発信をする場合には、企業の考え方やどのような文化があるのかを積極的に発信していくと良いでしょう。
特に写真や実際に働く社員のインタビューを掲載することにより、求職者にもイメージが伝わりやすくなるためおすすめです。
企業の価値観を理解した人材を集めることができる
採用広報をおこなうことにより、企業の価値観を理解した人材を集めることができます。
採用広報をおこなわない場合には、求人票をもとに集まってきた人材が多いため、企業の価値観を理解していない場合も多くあります。
そのような場合には、面接で相手を見抜くことにも時間がかかりますし、入社したあとにも育成の時間がかかります。
また、ミスマッチによる早期離職も考えられます。しかしながら、採用広報をおこなうことにより、そうしたリスクを避けることが可能です。
採用広報は離職率を下げる効果も見込まれる
採用広報は、離職率を下げる効果も見込まれるため、最近では導入する企業が増えてきました。
採用広報により企業の価値観を理解してから入社する社員が増えることにより、「イメージとちがった」「企業の価値観、文化についていけなかった」という社員を減らすことができます。
離職率が高まると、人材不足に陥るだけでなく、社員のモチベーションの低下や対外的なイメージも下がってしまいます。
そこで以下に企業の価値観を事前に共有し、浸透させるかが重要になりますが、その役割を果たすのが採用広報です。
採用には多くのコストがかかるため、離職率を下げ、定着率を上げるためにも採用広報を導入すると良いでしょう。
まとめ
今回は採用広報について、なぜ採用広報に必要なのかという観点を踏まえながら紹介しました。
採用広報をうまく活用することによって、求める人材を獲得しやすくなったり、カルチャーフィットを進めたり、離職率を下げたりできるなど多くのメリットがあります。
採用広報の導入により、多くのコストや工数も削減できることも重要なメリットです。人材獲得競争は今後も熾烈さを極めることが予想されるため、いち早く採用広報を導入すると良いでしょう。
今回の記事を参考に、自社の採用広報を見直してみてはいかがでしょうか。