採用マーケティングと採用ブランディングとは?

昨今の採用広報活動で、”採用マーケティング”と”採用ブランディング”という言葉を聞くことが増えてきました。

いずれの単語も採用広報活動においてのトレンドワードですが、意外とこの2つの違いをしっかりと認識していない場合が多くあり、”採用マーケティング”と”採用ブランディング”を一緒くたな意味に捉えられているケースが散見されます。

採用担当者の方は、採用マーケティング採用ブランディングの違いをしっかりと把握しておきたいところです。

この2つの単語の違いをしっかりと把握することで、それぞれどのような意味を持って取り組まなければいけないのかが明確になり、結果的に自社が求める優秀な人材の獲得に近づくことができるでしょう。

今回は”採用マーケティング””採用ブランディング”について解説していきます。

採用マーケティングとは?

採用マーケティングとは?

採用マーケティングとは、マーケティングの手法を利用して、潜在層に採用ブランドを浸透させるために効果的にアプローチすることを指します。通常マーケティングは消費者に購買を促すために利用しますが、それを採用活動に応用したものです。

これまでの採用活動は大手求人媒体を利用したり、人材紹介会社を利用したりするのが一般的でした。それらを利用する求職者は「顕在層」と言われ、就職や転職に積極的な方たちが多いことが特徴です。そして顕在層の求職者が企業の求人募集へ応募をすることで「候補者」になります。

求職者の意識の変化に合わせたアプローチ

これまではこの2つの層を見ていましたが、昨今では求職者の意識、価値観の変化により、これまでの採用活動がうまくいきにくい状況になってきました。

今までは「勤務形態」「給与」「業務内容」「休暇制度」「福利厚生」などから判断され求人募集に応募をしていましたが現在ではそれら以外にも”会社の内部情報”へのニーズが高まってきています。

求職者の求める”会社の社内情報”とは

”会社の社内情報”と聞くと一見、機密情報のようなイメージをしてしまいますがここでの社内情報はこれまでの求人情報からは読み取りにくかった働く従業員の情報や社内の雰囲気、社風、コーポレートアイデンティテイを指します。

これらをメディア化することで求職者に対して、求人応募の前段階で価値観の共有、共感させることができます。これらの施策が現在の採用広報活動では効果的になってきており、会社に対して好感を高め、ファン化させることが重要です。

潜在層と顕在層

そのため転職や就職に積極的な顕在層の手前に存在する「潜在層」への働きかけが必要になってきています。潜在層は、就職や転職に関係なく求人募集をかけている企業を認知しているという状態です。

これらをまとめると潜在層が顕在層になり、顕在層が候補者へと変化し、最終的に内定承諾することにより社員になります。

この一連のプロセスを、マーケティングでは「ファネル」と呼び、採用マーケティングでもこれを利用しておこなう企業が増えています。

これまでの採用活動では、求人媒体の利用や人材紹介会社を利用するのが一般的で、何を使うのかという手法が重視されていました。そのため採用担当者の仕事も、求人媒体や紹介会社の選定に時間を割かれることが多くありました。

顕在層にアプローチするにはその方法でも問題ありませんでしたが、優秀な人材の獲得競争が激しい現在では、考え方を変換する必要があります。

今後の”採用マーケティング”の役割

採用マーケティングは、これまでの手法に重点を置くのではなく、誰に情報を届け、どのような情報を発信することで魅力づけをおこなうのかという仕組みづくりを重視します。

そのためマーケティング的役割が強く、分析に基づいた緻密な戦略を立てていくことになります。

採用ブランディングとは?

採用ブランディングとは?

採用ブランディングは、自社の採用をブランド化することで認知度を高め、「入社したい」と思ってもらうための戦略を指します。つまり採用マーケティングの前段階であり、非常に重要なものです。

採用マーケティングは、潜在層に自社を認知してもらうために様々な手法を駆使しながら行動します。その際には、自社の採用ブランドがどのようなものなのかが明確になっていないといけません。その役割を果たすのが、採用ブランディングです。

自社分析で自社の強みと弱みを理解しよう

採用ブランディングにおいては、自社分析が欠かせません。

自社では「どのような事業をおこなっているのか」「どのような強みがあるのか」「どのような価値を提供しているのか」といった項目についてしっかりと分析、理解し、そこから求職者へ向けた魅力づけのために何をどう発信していくのかを決めていきます。

また情報を既に発信していると言っても、求職者等の第三者から見てその情報が伝わっているのか、わかりやすいか等を調査する必要があります。

情報を発信していても思ったような効果を得られていない場合は発信している情報に「魅力を感じない」「わかりにくい」などが原因の可能性が考えられますので情報の見直しは常に行いましょう。

採用ブランディングの相乗効果

採用ブランディングが成功することで、採用マーケティングはもちろん、採用広報活動がスムーズになるという相乗効果があります。そのため多くの企業が抱える「母集団形成」についても、集めやすくなるでしょう。

さらに既存の従業員、社員への相乗効果も期待できます。これまで以上に自社が認知拡大されることで、周囲からの評判が上がり「良い会社ではたらいているんだ」「有名な会社だ」という認識をされると社員の自尊心が高まります。

その結果、会社への帰属意識が高まり、離職率の低下に伴う定着率の向上、労働意欲の向上が期待されます。

採用マーケティングと採用ブランディングの重要性

マーケティングとブランディングの重要性

採用マーケティングと採用ブランディングはともに影響をし合うものなので、いずれも軽視することができません。採用ブランディングにより自社をブランド化し、そのブランドを元にマーケティング手法を駆使し、ブランド浸透を図ります。

そのためどちらか片方に注力すれば良いというものではなく、両方に意識を向けていくことが大切です。

売り手市場が続き、優秀な人材の獲得競争が激しい今では、こうしたブランディング戦略やマーケティング戦略を取り入れる企業も増えてきています。ブランディングはすぐに結果が出るものではなく、長期的な視野でおこなう戦術なので、早くから取り組む意義は大きいでしょう。

マーケティング戦略についても一朝一夕で習得できるものではなく、採用担当者の自学自習も大切になるため、早めの取り組みが大切です。

これまでは求人媒体への応募や人材紹介会社からの紹介を待つという受け身の姿勢でも採用活動は成り立っていましたが、これからはそれだけでは足りず、積極的な姿勢が必要になります。そのため、マーケティングとブランディングの重要性が高まっていると言えます。

採用マーケティングを実施するうえでのポイント

採用マーケティングを実施する上では、マーケティングの視点を持つことが何よりも重要になります。マーケティングでは、「ファネル」という考え方を利用します。これはマーケティング戦略において、顧客が商品を購入に至るまでのプロセスを表したものです。

まず「認知」があり、次に「興味・関心」、そして「比較検討」、「購入」へと至ります。これを採用マーケティングに応用すると、「潜在層(企業を知っている状態)」があり、「顕在層(就職・転職に興味があり、情報収集している状態)」へと変化し、「候補者(数社を比較検討している状態)」になり、「社員(内定承諾し、入社)」となります。このプロセスを頭に入れておきましょう。

採用マーケティングでは、この潜在層にアプローチをかけ、いかに顕在層へとつなげるかが大きなポイントになります。そのために効果的なアプローチが欠かせません。潜在層はそもそも就職や転職を考える前の段階なので、求人媒体や採用ホームページなどを利用しても効果はあまり高くありません。それよりもSNSを利用したり、テレビCMを利用したりするなどで、目にする機会を増やすことが大切です。

採用ブランディングを実施する上でのポイント

採用ブランディングでは、自社をブランド化するためにいかに魅力づけをするのかということがポイントになります。自社が持つ強みや価値、社会的な貢献についてしっかりと分析し、有効なアピールをすることが大切です。

その際に特に重要なことが、「一貫した情報発信をすること」です。ブランディングには長い時間がかかりますが、その中で情報が何度も変わってしまうとブランドイメージが定着しません。常に一貫した情報を発信し続けることで、ブランドイメージを確立させることが可能です。

まとめ

採用活動を取り巻く環境は、毎年大きく変動しています。そのため採用担当者としても、常に新たな情報を吸収し、実践していかなければなりません。数年前であれば採用マーケティングや採用ブランディングの必要性もそこまで高くはありませんでした。

そうした変化にも柔軟に対応できる企業が、今後も採用活動においてもスムーズに進めていくことになるでしょう。

採用マーケティングには、採用ブランディングが欠かせません。採用ブランディングを確立させるためにも採用マーケティングは欠かせません。つまりどちらか一方だけではなく、両方の戦略を利用していくことが大切です。

今回の記事を参考に、両者の違いを認識し、採用活動に役立ててはいかがでしょうか。

松尾優希

松尾優希

片田舎に住むマーケティングディレクターであり2児の父。スーパー戦隊シリーズとウルトラマンシリーズ、ウイイレ、無双シリーズが大好き。カフェインとカロリーが好物。

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