近年多くの会社が人材不足に悩まされています。その理由として、少子高齢化による働き手の不足、それに伴い売り手市場が続き、なかなか人材を確保できないということがあります。他にも早期離職も考えられるでしょう。
採用には多くの費用とマンパワーがかかっているため、せっかく入社してくれた人材の流出は避けたいものです。しかし、離職率を抑えるにしても、どのようなことをすればよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は、離職率を抑えるためになにをすればよいのかをご紹介します。
目次
離職率が上がる原因
そもそも離職率とは、一定の期間中に何人が退職したのかを表す数字になります。一定期間は、一年間を指す場合が多いですが、企業によっては6ヶ月単位でも計算する場合があります。
この離職率を抑えることは、採用活動を進める上でも非常に重要なポイントです。なぜなら費用とマンパワーをかけて採用しても、退職者が増えてしまっては人材の確保がままならないためです。
多くの社員を採用することも大切ですが、同時に定着率を上げ、離職率を抑えていくことも欠かせません。そのためにもまずは、離職率が上がる原因を把握しておきましょう。
入社前後のギャップ
入社前後のギャップが大きいと、離職率が上がってしまいます。求職者は働くことに対して、さまざまなイメージを持っています。「こういう仕事をさせてもらえるのかな」「こんなこと働き方ができるのかな」など、期待値が高まるのも当然と言えます。
そのような期待感を抱き就職をしても、実際にはそのようには行かないケースが起こることも避けられません。
特に新卒入社の場合には、働くことに対しての期待値も大きいため、こうしたギャップが発生しやすく、結果退職が増えてしまいます。
価値観の違い
企業が大切にする価値観と求職者の価値観が違うことも、離職率が上がることにつながります。企業の価値観とは、理念だけでなく、社内の雰囲気も含まれます。
特に社内の雰囲気が合わない場合には、働くことがつらくなってしまい、退職につながるリスクも高くなりがちです。そのため価値観がフィットするのかどうかも、事前に確認することが大切です。
定着率を上げる方法とは
離職率が上がってしまう理由の次に、定着率を上げる方法をご紹介します。
定着率を上げるためには、闇雲に取り組んでいても良い結果を生むことはできません。しっかりと方法を把握し、定着率向上に取り組んでみてください。
社内環境の改善
賃金や待遇などが、労働料や成果に対して適切であるかどうかを確認し、問題があれば改善をおこないましょう。特に従業員に直接ヒアリングをし、不満が無いかを確認することが大切です。
労働環境の改善
残業時間が長くなりすぎていないか、休日出勤が多くなっていないかなど、労働環境についてもヒアリングをおこないましょう。労働環境が悪化すると、生産性の低下や怪我、うつなどの病にもつながる可能性があります。
社員によっては頑張りすぎてしまい、休憩をとらない可能性もあるため、注意が必要です。
評価制度の見直し
評価制度に不備がないかどうか、不平等な制度設計になってはいないかなど確認をおこないましょう。評価制度は、適切に運用することで従業員のモチベーションを高めることにつながります。
仕事での成果が評価にしっかりとつながるような評価制度を目指しましょう。
一番重要なのは入社前に自社をよく理解してもらうこと
離職率を抑えるためには、入社前に自社をよく理解してもらうことが一番大切です。そうすることにより、入社後のギャップを抑えたり、価値観の違いについても避けたりすることができます。
今回は「採用ホームページを利用する」「SNSを利用する」「職場見学会を実施する」の3つの方法をご紹介します。
自社を知ってもらう方法①:採用ホームページを利用する
採用ホームページを利用し、多くの情報を発信することで、自社の理解を深めることができます。多くの求職者が採用ホームページを閲覧するため、なるべく多くの情報を掲載しておくと良いでしょう。
その際には、「求職者目線に立った情報」「一貫した情報の発信」の2点注意することが大切です。
採用ホームページを制作する際には、採用担当が伝えたい情報を詰め込みがちです。しかしながら、そうした情報は求職者が求める情報とはズレている可能性もあります。
そこで、求職者がどのような情報を求めているかを考えることが大切です。また社員のインタビューを掲載することで、実際の働く社員の生の声を発信することができるため、求職者の理解を深めることが可能です。
また常に一貫した情報を発信することで、企業のブランドイメージを固めることができます。
自社を知ってもらう方法②:SNSを利用する
InstagramやTwitter、FacebookなどのSNSを利用して、情報を発信することも大切です。求職者は事前に多くの情報を得るため、こうしたSNSをチェックする機会が増えています。
そのため採用活動に利用する企業も増えています。SNSのメリットとしては、手軽さと採用ホームページには書ききれない情報を発信できることが挙げられます。
SNSでは、採用ホームページよりも砕けたニュアンスでの発信ができるため、職場のリアルな雰囲気やちょっとした裏話を発信することも可能です。そうした発信により、自社の雰囲気や社風についても事前に知ってもらうことができるためオススメです。
またSNSは拡散力が強いため、有益な情報を発信したり、話題になる情報を発信したりすれば注目を集めることができ、多くの求職者の閲覧を期待できます。そこから他の投稿を閲覧してもらうことで、自社の理解向上につなげることが可能です。
自社を知ってもらう方法③:職場見学会を実施する
入社前に職場見学会を実施することも、入社前に理解を深めるためには大切です。職場見学会は、インターンシップよりも手軽なため、準備の手間も時間もかかりません。最近ではZoomなどを利用して、オンラインでの見学会を実施する企業も増えています。
職場見学会では、映像を通して実際の社内の雰囲気を求職者に見てもらうことができるため、非常に効果的な手法です。その際には、採用担当者と話す時間を設定することも大切ですが、実際に配属される可能性の高い部署の担当者や一般社員との質疑応答の時間を設けることもオススメです。
そうした時間を設けることで、実際に働くことをイメージしてもらうことができるため、入社前後のギャップを避けることが可能です。
まとめ
少子高齢化が今後も続き、多くの企業との人材獲得競争の激化が考えられるため、離職率を抑え、入社後定着率を高めることはどの企業にとっても喫緊の課題になります。
離職率を抑えるには、入社前にできることが数多くあるため、それらを組み合わせ継続的に実施していくことが大切です。特に事前に求職者に多くの情報を与え、自社の理解を深めてもらうことで「入社前後のギャップ」「価値観の違い」といった離職につながる要因を避けることが期待できます。
採用活動は入社者を増やすだけでなく、離職率を抑え、定着率を上げていくことも欠かせません。可能な限り定着率を抑え、入社してくれた社員の育成に努めるようにしましょう。
今回の記事を参考に、離職率を抑えるための取り組みを実施してみてはいかがでしょうか。