少子高齢化による働き手の不足もあり、多くの企業では人材難に陥っています。そのため、育成に時間がかかる新卒採用だけでなく、即戦力として活躍ができる中途採用に注力する企業も増えてきました。
しかし、中途採用で入社したすべての人材が即戦力になるわけではなく、成果を出すまでに時間がかかったり、風土に合わずにすぐに辞めてしまったりする可能性もあります。
そうなってしまうと、採用にかけたコストや時間が無駄になってしまうため、より良い人材を採用することが大切です。
そこで今回は、即戦力になる人材を採用するポイントや優秀な人材を見つける方法について解説します。
目次
自社にとっての即戦力の定義とメリット
即戦力の採用を進めることは、非常に大きなメリットがありますが、そのためには自社にとってどのような人材が即戦力になるのかを定義づけしておくことが大切です。
そしてそれによりどのようなメリットを享受できるのかを考えておくことで、即戦力の採用がよりスムーズになります。
自社にとっての即戦力とは
まずは、自社にとっての即戦力とはなにかを定義付けしましょう。即戦力と言っても企業ごとに定義づけがちがうため、自社が求める能力はなにかを考えることが大切です。
たとえばコミュニケーション能力が高く、行動力がある人材が欲しい場合に、そうした定義付けをしていないと、どのようなターゲットに向けて行動すればよいのかがわかりません。
それにより自社の求める即戦力ではない人材にアプローチをしてしまったり、採用後にミスマッチが起こってしまったりするなど、マイナスの影響を及ぼしてしまう可能性があります。
そのため、まずは自社がどのような人材を求めているのかを明確にするために、どのような能力が必要なのか、どのような考え方をしているのかなど、詳細に渡り考えていくことが大切です。
こうした定義付けをペルソナ設計とも呼び、主にマーケティング戦略で利用されてきました。ペルソナ設計では、「年齢」「性別」「趣味」「家族構成」「考え方」「ビジョン」など、非常に多岐に渡り明確化していきます。
それにより一人の人物像をつくり上げ、そのターゲットに向けてマーケティング活動をおこないます。これを採用活動にも応用することで、より自社に合う優秀な人材を採用することが可能です。
即戦力な人材を採用するメリットとは
即戦力な人材を採用することで、停滞していた業績や業務を円滑にする効果を期待できます。
新卒採用の場合には、ビジネスマナーや業務の基本的な進め方など、様々なことを教育する必要があり、活躍してくれるまでに時間がかかります。そのため、採用後しばらくは通常業務以上にマンパワーがかかります。
一方で即戦力であればそうした時間も不要なため、他の社員の手間を取られることもありません。そしてこれまでの経験やスキルを活かし、業務に取り組んでもらうことで業績の向上や業務の効率化を図ることが可能です。
また、これまでとはちがった考え方や仕事の進め方を持っているため、それらを導入することで新たな進め方を取ることもできます。
即戦力を採用しやすくするポイント
自社にとっての即戦力の定義付けができたら、実際に即戦力になる人材の採用を進めていきます。しかし、闇雲に採用を進めようとしてもうまくいきません。
なぜなら即戦力になる優秀な人材は、他の企業も採用したいと考えており、採用競争が激しくなるためです。そのため、即戦力を採用しやすくするポイントを理解し、採用活動を有利に進めるようにしましょう。
今回は、「リファラル採用」「求人情報の具体的なビジネスビジョンの掲示」「求める人材像の具体化」の3つを紹介します。
リファラル採用
まずはリファラル採用ですが、こちらは近年多くの企業が導入している採用手法です。これまでは求人媒体に求人票を掲載したり、転職エージェントと呼ばれる紹介会社に紹介を依頼したりすることが基本でした。
しかしながら、そうした採用手法ではミスマッチも起こりやすく、自社の求める人材の採用がうまくいきにくいというデメリットがありました。
そこで自社で活躍する社員に知り合いを紹介してもらうというのが、このリファラル採用です。求職者が自分で探して応募をしてくる通常の採用とはちがい、リファラル採用の場合には現在働いている社員からの紹介です。
そのため、すでに会社の雰囲気や仕事の進め方、働く社員などを理解しているため、ミスマッチが起こりにくいというメリットがあります。
まず社内でリファラル採用の導入を認知させ、社員が紹介したいと思えるような環境を作り出すことが大切です。場合によっては報奨金を設計するなど、紹介する側へのメリットを作ることも重要です。
求人情報の具体的なビジネスビジョンの掲示
次に、求人情報の具体的なビジネスビジョンの掲示です。求人情報は具体的であればあるほど求職者にも伝わりやすくなるため、いかに具体的に発信できるかどうかが重要です。
その際には数値ができるものは数値化し、よりわかりやすくすることも大切です。どのような計画で経営しているのか、何を目指しているのかなど、可能な限り具体化します。
求める人材像の具体化
3つ目は、求める人材像の具体化です。これはマーケティング手法で一般的な、ペルソナ設計を利用します。どのような人物がほしいのかを詳細に渡り設計することで、架空の人物像を設計します。
それにより、ターゲットを明確化し、そのターゲットに響く情報発信をおこなっていくことが可能になります。具体的には、「年齢」「性別」「趣味」「家族構成」「考え方」「ビジョン」など、可能な限り細かく設計していきます。
優秀な人材を見極めるポイント
実際に採用を進めるには、優秀な人材を見極めることが大切です。一見即戦力として活躍してくれそうな人材も、入社をしてみたら期待とはちがったという状況も考えられます。
そのため、事前にしっかりと見極めをおこない、本当に自社が求める人材を採用することが大切です。
経歴やスキル
まずは、経歴やスキルを確認します。どれだけ優秀な人材だったとしても、自社に合った経歴やスキルがなければ即戦力にはなりません。
例えば法人営業のスキルを持った人材を採用したいのに、「法人営業の経歴はないが華やかな経歴を持っている」という理由で採用した場合には、即戦力になるかどうかはわかりません。
それよりも「一貫して法人営業を経験しており、経歴としても営業職として様々な企業を渡り歩いている」という方が活躍してくれる可能性は高いでしょう。
そのため、しっかりと経歴やスキルを確認することが大切です。
ビジネスマナー
次にビジネスマナーです。
優秀な人材は、ビジネスマナーがしっかりしている場合が多く、逆にビジネスマナーができていない人材は経験が浅い場合や、能力が低い場合があります。
そのため身だしなみや身のこなしなど、あらゆる角度からビジネスマナーを見ておきましょう。
【番外編】求職者から感じる雰囲気も判断材料になることも
感覚的なものとして、求職者から感じる雰囲気が判断材料になることもあります。「なんとなく自社に合いそうだ」「なんとなく一緒に働きたい」など、求職者から感じた雰囲気で判断するのも良いでしょう。
感覚で判断するのは根拠に欠けるという考えもありますが、そうした感覚は長年働いてきたことによる経験の積み重ねによるものでもあるため、大切にするのも良いでしょう。
まとめ
今回は即戦力になる人材を採用するポイントや優秀な人材を見つける方法について解説してきました。今後も人材不足は加速していくことが考えられるため、いかに即戦力を採用していけるかが大きな分岐点になります。
そのため自社における即戦力を定義づけし、採用を進めていくと良いでしょう。
今回の記事を参考に自社の即戦力採用を見直してみてはいかがでしょうか。