採用コストを抑える方法とは

企業の成長に欠かすことができないのが、「ヒト」「モノ」「カネ」の3つと言われています。なかでも「ヒト」に関しては、多くの会社が手を焼く大きな課題です。

人の問題とは、「採用活動がうまくいかない上に、採用コストが高い」「早期離職が多く、採用コストの割が合わない」などが挙げられます。

採用コストとは、人材を採用をするまでにかかる費用のことを指し、具体的には求人広告費や面接会場費、交通費などのことです。採用活動がうまくいかない場合には、採用コストが高くなるため、企業経営を圧迫します。

そのためどの企業も採用コストを下げるため、様々な取り組みをおこなっています。では具体的にどのような取り組みをおこなっているのでしょうか。

今回の記事では、採用コストを抑える方法についてご紹介していきます。

会社は採用活動費にいくら支払ってる?

会社は採用活動費にいくら支払ってる?

会社が支払う採用活動費は「外部コスト」「内部コスト」の2つに分けることができます。採用コストを下げるためには、それぞれの違いを認識し、見直していくことが大切です。

もし採用コストの中で見直しができそうだと感じるものがあれば、適宜見直していくようにしましょう。

まず外部コストですが、こちらは社外に依頼することによりかかるコストを指します。例えば「求人広告費」「人材紹介会社への報酬」「合同説明会の費用」「パンフレットの制作費」などがあります。いずれも内製化ができないかどうか、検討するのもよいでしょう。

ただし、内製化した場合には、担当者の負担が増えることになるため、慎重に検討することが大切です。また、外部に委託した場合に比べ、クオリティがどうなるのかも意識して見なければならないポイントです。

2つ目の内部コストは、社内で発生するコストのことです。例えば「採用担当者の人件費」「面接の際にかかる交通費や宿泊費」などがあります。最近ではリファラル採用(社内紹介採用)を導入する企業が増えており、それに対する紹介料も内部コストに含まれます。

会社が採用活動費として支払う金額は、外部コストと内部コストにどれだけ費用をかけたかによって大きく変わります。企業によって変動はありますが、数万円~数千万円支払う企業もあるほどです。そのため以下に採用コストを下げるのかということが、採用活動において重要になっています。

1名採用した場合の人件費用

1名採用した場合の人件費用

1名採用した場合にかかる人件費は84.8万円(2018年度)となっています。

仮に10人採用した場合には、84.8万円×10人=848万円になります。

そのため採用人数が増えると、それだけ採用コストも高くなります。だからこそ早期離職は避けるべき課題として重視されるのです。

また新卒採用にかかる採用コストは、1人あたり72.6万円(2018年度)です。仮に10人採用した場合には、72.6万円×10人=726万円となります。

中途採用と比較すると、一人当たり12.2万円も安くなります。新卒採用と比べ、中途採用が高くなるのは求人広告費や人材紹介費が高くなる傾向にあるからです。

採用コストを下げる方法

採用コストを下げる方法

採用活動におけるコストは、企業経営において大きな課題になります。そのため採用コストをいかにして抑えるのかが、採用活動における重大任務のひとつと言えるでしょう。

採用コストを下げるために、まずは自社がどれだけのコストをかけているのかを知っておく必要があります。その際にはエクセルを利用し、項目ごとに入力をしていきましょう。

まずは大きく外部コストと内部コストに分けておきます。そしてそれぞれ細かく分類をおこない、月次ごとに入力をしていきます。

この際に「求人広告」や「人材紹介費」とするだけでなく、どの媒体を利用したのかも細かく分類しておくのがオススメです。このエクセルデータをもとに、見直しができるポイントを探していきましょう。

採用コストを下げる方法にはいくつかありますが、今回は3つにしぼり、ご紹介します。

社内情報を発信する「採用オウンドメディア」

採用オウンドメディアとは、企業が自社で保有しているホームページのことです。採用オウンドメディアは、求人媒体とは異なり、自社で掲載内容やフォーマットも自由に決められるメリットがあります。求人媒体の場合には、掲載期間やフォーマットに縛りがあるため、情報が不足する場合があります。

採用オウンドメディアを運用する際には、求職者目線に立った情報発信を心がけることが大切です。自社の情報を発信しようとすると、「あれも載せたい、これも載せたい」という心理状態になり、求職者が知りたい情報とズレが生じる可能性があります。

そのため自社が伝えたい情報を掲載しつつ、「求職者が知りたい情報はなにか」ということについて意識していくことが大切です。

求職者が知りたい情報は主に、「会社の情報」「仕事の方法」「働く環境」の3点です。基本的にはこれに沿った内容を発信することで、過不足なく情報発信をすることが可能です。また「入社しなければわからない情報」も求職者は求めています。

具体的には「実際の社員のキャリアステップ」が挙げられます。求職者は入社後のリアルを知りたいと考えているため、どのような仕事場なのか、実際に働いている社員はどのようなキャリアステップをふんだのかといったことを気にしています。

そのためそれらの情報を発信することで、求職者目線に立った採用オウンドメディアにしていくことが可能です。

採用オウンドメディアにかかる主な費用は、立ち上げの際にかかる制作費、更新を依頼する際の費用です。そのため長期間に渡り運用することで、求人媒体や人材紹介の費用に比べると安くなります。

採用広報活動では欠かせないSNSでの情報発信

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSも、採用広報活動に利用する企業が増えています。これまでは企業ホームページや口コミサイトが情報収集のメインになっていましたが、SNSの普及により、情勢も変化してきました。

特に若い世代においてはSNSの利用率も高く、手軽に閲覧できることや文字数などの制限による視認性の高さから人気を博しています。SNSは無料で利用できるため、採用コストを大幅に下げることが可能です。ただし、手軽に利用できる分、注意も必要です。

SNSは拡散性も高いため、不適切な情報を発信してしまった場合にはすぐに情報が拡散され、バッシングを受ける可能性もあります。それを避けるためにも事前にしっかりと打ち合わせをし、担当者1人ではなく、何人かで内容を確認するようにしましょう。

コーポレートサイトの活用

コーポレートサイトはいわゆる企業ホームページです。既にコーポレートサイトを所有している場合は、採用広報活動で利用しましょう。コーポレートサイトには企業情報や最新情報を掲載することができるため、求職者の欲しい情報を提供することができます。

また、投稿等の既存機能を利用することで新たにページ制作する必要がありませんので無駄な費用を抑えることにが可能になります。もしコーポレートサイトを所有していない場合は、コーポレートサイトの制作を検討するのも良いでしょう。

コーポレートサイトは採用広報活動だけでなく、その他の企業活動にも利用できます。そのため結果的にはコストを支払うことにはなりますが費用対効果が高いと見込まれ、大きなメリットをもたらします。

自社だけで採用できる仕組みを構築する

自社だけで採用できる仕組みを構築する

採用コストを下げるためには、自社だけで採用できる仕組みを構築することが大切です。求人広告費や人材紹介会社を利用すれば、外部コストは必然的に高くなります。

一方で採用オウンドメディアやSNSを適切に活用することで、外部コストを抑え、採用コストも下げることが可能です。現在どれだけの費用がかかっているのか、その内の見直せるポイントがないかをしっかりと確認しておきましょう。

また採用オウンドメディアやSNS、コーポレートサイトは単体で利用するのではなく、それぞれを紐付けておくのも大切なポイントです。

求職者は情報収集のためにいくつものサイトを訪問しますが、検索に手間がかかると離脱してしまう可能性も高まります。それを避けるためにも「コーポレートサイト→採用オウンドメディア」の紐付けをおこなうなど、動線を作っておくと良いでしょう。

まとめ

採用コストは企業の経営に大きな影響を与えます。そのため多くの企業が採用コストを下げるため、様々な取り組みをおこなっています。しかしながら闇雲にコストダウンを図ると、採用活動が失敗に終わる可能性も避けられません。

少子高齢化により売り手市場が続き、今後も採用活動を取り巻く環境は厳しくなっていくと考えられています。そこで大切なのは、自社の採用コストを見直し、有効な対策を取ることです。

今回の記事を参考に採用コストを下げ、採用活動の成功にお役立てください。

松尾優希

松尾優希

片田舎に住むマーケティングディレクターであり2児の父。スーパー戦隊シリーズとウルトラマンシリーズ、ウイイレ、無双シリーズが大好き。カフェインとカロリーが好物。

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