当記事では、求職者のミスマッチを防ぐには、企業への共感を与えることについて解説していきます。
この記事を読むことで、以下の理解が深まります。
- 採用におけるミスマッチとは何か
- ミスマッチや早期離職が起きる理由
- ミスマッチを防ぐための共感について
「採用したのにすぐに離職してしまう」
「新入社員が社内に馴染めていない」
もしそう考えているのであれば、ミスマッチを防ぐように対策しなければなりません。
ミスマッチが起こる原因は、企業が提供している情報と、求職者が汲み取って理解した企業の情報や入社後の現実にギャップが起こるからです。
採用活動におけるミスマッチを防がなければ、
- 早期離職
- 仕事へのモチベーション低下
- 帰属意識、エンゲージメントの低下
につながりかねません。ミスマッチによる早期離職ほど、企業にとって大きなダメージはありません。
ミスマッチを防ぐために、最も重要なのは共感です。
どのようにして共感力を高めていくのか、当記事で解説していきます。
目次
求職者の共感はなぜ重要なのか
求職者の共感とは、企業への賛同や関心そのものを指します。
企業への共感を得た上であれば、企業と求職者がお互いに納得した状態で入社することになります。
この「納得した状態」が、ミスマッチを防ぐことになり、早期離職を防ぐことにつながるのです。
逆を言えば、企業への共感がないまま就職してしまうと、入社前後のギャップが生まれてしまい、早期離職につながりやすくなってしまいます。
そのため、採用活動の時点で、求職者に共感を得てもらうことが重要なのです。
採用でのミスマッチとは
採用におけるミスマッチとは、求職者が就職活動中に抱くイメージ(業務内容や社風)が、「入社したら聞いていたのと違った!」といったギャップによって起こります。
具体的には、以下が挙げられます。
- 人間関係
- 労働条件に不満
- 昇進・評価が不満だった
- 職業や仕事内容が合わない
ミスマッチによる早期離職を防ぐために、具体的にどのような理由で離職に至るのかを把握しておく必要があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
よくある離職理由①:人間関係
「人間関係が良くない」という理由での離職は、決して少なくありません。
離職する若者の約20〜30%以上が、人間関係が原因で離職すると言われています。
参考サイト:テレワークナビ
人間関係のトラブルが起きる要因としては、求職時の職場環境や既存社員のイメージと、入社後の実際の職場環境とのギャップが大きいことが挙げられます。
職場環境のギャップを感じさせないためには、
- オフィス訪問
- インターンシップ
- バーチャルオフィスツアー
- 定期的かつ多彩な情報発信
など、企業を知ってもらうために情報提供をしていく必要があります。
採用広報における情報発信については、下記の記事で詳しく解説しています。
1on1やメンターメンティー制度などのフォローアップ体制を整えるなど、職場環境や人間関係にひとりな悩むことがないような組織づくりを行うことが大切です。
よくある離職理由②:労働条件に不満
労働条件や待遇面に不満を感じ、離職するケースも挙げられます。
たとえば
- 休日数
- 残業数
- 1日の労働時間
- 賃金、ボーナス
などの情報がしっかりと伝わっていなかった場合、求職者が入社後にギャップを感じてしまう可能性があります。
その結果、早期離職に繋がり、採用のミスマッチとなってしまいます。
さらに、離職につながる要因のひとつとして労働条件の確認不足も挙げられます。
労働条件は、
- 決められた待遇を保証する
- 入社前にしっかり提示・確認をする
といった対策をとることで改善できるでしょう。
ですが離職につながる要因としては、お互いの確認不足だけでなく「企業側が待遇を守ってくれない」あるいは働いてみたら「想像していたよりもきつかった」などが考えられます。
よくある離職理由③:昇進・評価が不満だった
正当な評価や昇進がされず、理不尽さを感じて離職するケースもゼロではありません。
極端な例ですが「自分よりも成果を出していない人が、歳上というだけで昇進した」「〇〇さんよりも成果を出しているのに、給料もボーナスも同じなのが不満」といったことも少なくありません。
優秀な人物であればあるほど「それならきちんと評価してくれる企業に転職する」と、離職してしまうのです。
こういった理由での離職を防ぐには、
- 年功序列制度を廃止する
- 成果や過程におけるパフォーマンスを見て評価する
- 目標指数を明記して達成したら待遇面もアップさせる
など、正当性、平等性の高い評価制度を整えていくのが望ましいのかもしれません。
同時に「こういう評価の仕方をしていますよ」と、企業側から全社員に共有することも大切ですね。
よくある離職理由④:職業や仕事内容が合わない
単純に、職業や仕事内容が合わないから、という理由で離職するケースも多く挙げられます。
「仕事内容が合わない」というミスマッチが起きる原因は、求職時に期待していた仕事内容と、実際に自分が任された仕事内容にギャップを感じることで起こります。
特に初めての就職や、異業種への転職をする人に多く見られる傾向でもあります。
企業側が、求職者に情報提供や説明をきちんとしていたとしても、実際の仕事内容のイメージができない場合もあります。
理由として、職業によって仕事内容が抽象的になっているからです。
職業や業種によってはマニュアル通りに行う業務よりも、知識を活かして付加価値を生み出すような業務が増えてきています。
たとえば、WEB制作系や、顧客に対するサービスを考えるなどが挙げられます。
これらの業種は「総合職」として括られることも多く、仕事の範囲や内容が明確に定まっていません。そのため、求職者は入社後、仕事の内容にギャップを感じてしまうのです。
一度感じてしまったギャップを完全に埋めることは難しいでしょう。
その分、採用広報における情報提供では工夫しながら発信していくことが重要なのです。
たとえば「既存社員はこのような業務を行なっている」「こう考えながら業務している」など、できる範囲で既存社員の姿を発信することも大切になります。
なぜ入社前後でギャップが生じてしまうのか
入社前後のギャップが起きる原因としては、
- 企業側の情報発信不足
- 採用ペルソナの選定不足
- 企業の価値観と求職者本人の価値観の違い
などが挙げられ、ミスマッチが起きやすくなると考えられています。
そしてミスマッチが起きる原因として、
- 入社後に適切なフォローがなされていない
- 自社の良いところしか求職者に伝えられていない
- 求職者の適性を見抜けられない
- よく魅せるためために良い情報しか提供していない
などが挙げられます。
こうしたミスマッチを防ぐためには、採用広報における情報発信が重要になるのです。
ミスマッチ・早期離職を防ぐ方法
採用におけるミスマッチ、早期離職を防ぐ方法は、下記の通りです。
- 自社サイトでの情報発信
- SNSでの情報発信
- 外部メディアサイトでの情報発信
- イベントや交流会の開催
ミスマッチを無くすためには企業文化や自社の考えや価値観を求職者に理解・共感してもらう必要があります。
共感・理解してもらうためには「どんな人材を採用したいのか」と、採用ペルソナを明確にした上で「当社とはこんな人材に来てほしいのです」と、求める人物像を可視化していきましょう。
そのための上記4点について詳しく解説していきます。
情報の発信方法①:自社サイトでの情報発信
求職者に向けた情報発信で有力な手段としては、自社サイトで採用広報を行うことです。
コーポレートサイトやオウンドメディアを活用し、多彩に情報発信していくと良いでしょう。
募集している採用内容に限らず発信していきましょう。
たとえば、
- 福利厚生についてのコンテンツ
- 業務内容についてのコンテンツ
- 表彰制度や社内イベントコンテンツ
- 社内や社員の雰囲気が伝わるコンテンツ
- 企業理念やビジョンについてのコンテンツ
などを文章だけでなく画像や動画を用いて視覚的に発信していくのが望ましいです。
情報の発信方法②:SNSでの情報発信
SNS(Twitter、Facebook、Instagramなど)を活用し、多くのユーザーに自社の情報を発信するのも採用広報として有効です。
SNSによって利用年齢層が異なるため、採用ペルソナにあったSNSを利用するのが良いでしょう。
ターゲットに合わせた情報発信の方法について、詳しくは下記の記事で解説しています。
情報の発信方法③:外部メディアサイトでの情報発信
自社サイトやSNS以外に、外部メディアを活用して情報発信することも採用広報として有効です。
外部メディアとは
- note
- Wantedly
- YOUTRUST
といったものが挙げられます。
利用者の多い外部メディアも活用していくことで、より多くの求職者に社内の情報を届けることができます。
情報の発信方法:④イベントや交流会の開催
イベントや交流会を通じて採用広報していくのも効果的です。
文章や動画などのWebコンテンツで伝えるよりも、求職者との距離が近くなるため、熱量などを届けやすくなります。
また、既存社員の雰囲気と、求職者の雰囲気をお互いに知ることができるため、「企業文化に合うか」を考えることができます。
自社の良し悪しを、より身近でアピールでき、お互いに理解を深める機会を得られるでしょう。
まとめ
採用活動におけるミスマッチを防ぐには、以下を意識しましょう。
- ミスマッチが起きるのは入社前後のギャップが大きな要因
- 求職者に共感を与えること
- 企業への共感を高めるには採用ペルソナの選定がカギ
- 採用ペルソナによって情報発信の内容と媒体を変えていく必要がある
採用する前の段階では、これらを意識して採用広報をしていくことが大切です。
同時に情報発信では、等身大の企業の姿を伝えられるよう意識していきましょう。
なぜならありのままを伝えることで、情報提供する量が自然に多くなります。
そして企業と求職者のお互いが理解しやすくなり、入社前後のギャップによるミスマッチが起きにくくなるからです。
ここでさらにお伝えしたいことは求職者が入社した後も、信頼関係を日頃から築いていくことが重要であるということです。
毎日一緒に仕事をしていく中で、毎日一緒に仕事をしていく中で、ギャップに感じた部分を聞くことができ、解決できるかも知れないですからね!