当記事では、
「広報活動を周りに理解されず、協力が得られにくい」
「効果が出るような広報活動を進めるにはどうしたら良いのか?」
と考えている方のために、広報活動を失敗しない方法を解説していきます。
この記事を読むことで、以下の理解が深まります。
- 広報活動の領域、範囲
- 広報活動が失敗してしまう理由と注意するべきポイント
- 広報活動を成功させる方法
広報活動が失敗してしまう理由は主に4つ挙げられます。
- 広報活動の重要性について経営層とギャップがある
- 継続的に活動できていない
- 広報活動を片手間で行ってしまう
- ノウハウが確立しないまま内製化してしまう
今回はこれら4つの理由について深掘りし、ひとつずつ対応策を解説します。
目次
広報活動とは、どのような仕事内容なのか
広報活動が失敗する理由について解説する前に、広報の仕事について改めて理解しておきましょう。
広報の仕事は、主に次のとおりです。
- 社内報、会社案内の作成、社内コミュニケーションの構築など(=社内広報)
- プレスリリース作成、配信、イベント企画・運営、SNS運営、ブログ記事作成・投稿、取材対応など(=社外広報)
広報の仕事は、一見華やかな印象を持たれます。
しかし、対応範囲が広く効果を実感しづらい仕事になります。
失敗してしまう理由のひとつに、すぐに効果が表れない中で長期的な活動が求められるため、目的や目標を見失いやすく、活動へのモチベーションが低下しやすいという点も挙げられます。
広報活動の失敗とは
「広報活動の失敗」を具体的に示すと、次が挙げられます。
- 広報活動の目標や評価基準が定まっていない
- 目標を下回る反響やクレーム対応で前向きな効果がでない
- 社内外でうまく情報が浸透しない
- 広報活動の方向性が定まっていない状態で進めている
広報活動は、活動を開始してから短期間で効果を実感、あるいは目標を達成することは極めて困難です。
短期的な数字アップ、目標達成を実現したいのであれば、広報以外のやり方を選ぶ他ありません。
例えば
- 広告費をかける
- インサイドセールスやフィールドセールスを行う
- ランディングページやチラシを作成する
など。
「できるだけ広告費をかけずにあえて広報という手段を取り、企業認知度・売上アップを目指したい」
もし、そう感じるのであれば「効果がすぐに見えずとも、継続的な発信活動が必要不可欠である」と社内全体で理解していく必要があります。
なぜ広報活動が失敗してしまうのか
広報活動が失敗してしまう理由について、以下が挙げられます。
- 経営層と広報担当で掲げる目標や成果、評価が曖昧になっている
- 泥臭く地道な活動をするマインドがない
- 広報活動を片手間で行ってしまう
- 広報活動のノウハウが全くない状態で内製化してしまう
それぞれ詳しく解説していきます。
経営層と広報担当で掲げる目標や成果、評価が曖昧になっている
前提として「なぜ広報活動を行っているのか」という目的が定義されていなければ、広報活動が失敗する可能性が高くなります。
きちんと目的が定義されていないと、
- 評価基準が曖昧になり、ゴールが見えづらくなる
- 広報の重要性やゴールと成果の認識について経営層と広報担当とでギャップが生まれてしまう
といったマイナスの結果を生んでしまいかねません。
そのため、広報活動をする目的、目指すべきゴール、そして数ヶ月〜数年の長期的な目線が必要である旨を、経営層含め社内全体で共有していくことが大切です。
広報で掲げる目標や成果については、下記の記事で解説しています。
泥臭く地道な活動をするマインドがない
広報活動は、地道で泥臭い作業がほとんどです。
それゆえに、実際に広報活動を行ってみたら「こんなはずじゃなかった」と、モチベーションが下がってしまう広報担当者も少なくありません。
広報活動をもう少し具体的に示すと、
- プレスリリースや社内報を継続的に配信、更新する
- 新聞掲載の場合、記者のニーズを汲み取りながら電話やメールでアプローチする
- 記者にアプローチする際、事前にリサーチを必要する(経済誌やメディア、SNSなど)
などが挙げられ、営業活動に近いとも言えるでしょう。
「1つひとつの作業が地道かつ泥臭いものである、でもそれが楽しい」というマインドが持てなければ、広報活動そのものが苦痛に感じてしまうかもしれません。
広報活動を片手間で行ってしまう
広報活動を別の業務と兼任してしまうと、失敗しやすくなる傾向にあります。
なぜなら広報活動は、
- 継続的に活動し続ける必要がある
- 業務内容、人とのやり取りを含めて幅広く活動しなければならない
と、片手間でこなせる仕事ではないからです。
別の業務と兼任しながら広報活動を行うと、成し遂げたい成果に対し、踏み込んだ行動や施策を実行しづらくなります。
「広報活動と抱えている業務の両方の進捗に遅れが出る」あるいは「広報活動そのものができなくなる」などの影響も考えられます。
「仕事がうまく進まない」と、社員のモチベーション低下の要因にもなってしまうため、別の業務と兼任させて行う広報活動はできるだけ避けましょう。
広報活動のノウハウが全くない状態で内製化してしまう
広報活動を社員自身が行っていくこと自体は問題ではありません。
しかし、未経験で知識がないまま広報活動を始めてしまうと失敗しやすくなります。
なぜなら、
- どうやって発信していったら良いか分からない
- どこの誰に向かって発信したら良いか分からない
- 発信する以外に広報でやることが分からない
と、具体的なフローがないと動けなくなるからです。
そのため、広報活動を行うのであれば、まずは誰でも理解できるような手順を組むことです。
そして広報担当同士で共有し合うことが大切です。
広報活動を上手く進めるためのステップ
ここから先は、広報活動を成功させるためのステップを解説していきます。
以下、3つのステップをご紹介します。
- 経営層と広報担当者で広報戦略を立てる
- 自社が抱える課題から広報活動の目的を明確にする
- 広報活動の成功を要件定義する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
経営層と広報担当者で広報戦略を立てる
広報戦略は、経営層を巻き込んで一緒に考えていきましょう。
その際、広報担当者は自社の経営戦略と事業戦略についてあらかじめ再確認しておく必要があります。
例えば、
- MVVのビジョンや経営理念
- ビジョンや経営理念を実現するための具体的な戦略
- ステークホルダー(企業との利害関係者)に伝えたい情報 / 伝わっていない情報はなにか
など、課題点も含めて洗い出しましょう。
経営戦略と事業戦略を理解しておくことで、広報戦略を立てる際に、経営層との認識のズレを埋めることができるでしょう。
洗い出した課題から自社の現状を把握できるため、広報活動として達成するべきゴールが見えてきます。
自社が抱える課題から広報活動の目的を明確にする
広報活動としての目的、ゴールを設定しましょう。
前項で洗い出した経営課題を解決に導くための最初のアクション=広報活動だと、認識することが重要だからです。
長期的な目線が必要ではあるものの、広報活動を行うことで結果的に認知力の向上と業績アップにも繋がる旨を社内全体で心得ておく必要があります。
その結果、広報活動は社内全体で行っていくものと認識されるようになります。
広報活動の成功を要件定義する
広報活動としての目的、ゴールを具体的に定義しましょう。
- 何がどこまでどうなったら目標達成なのか
- 何を基準に評価するのか
- 何が成果といえるのか
例えば、
- SNSのフォロワー数が〇月までに2000人
- 自社のチャンネル登録者数が〇月までに5000人
- 自社発行メルマガ登録者数がひと月に50人ずつ
- ▲▲セミナーの参加者が100人
など、具体的に数字を決めておくのもひとつの例です。
これらを決めておくことで、活動の最中に「目的、ゴールに近づいているか」と、振り返りやすくなります。
達成のための分析力と継続力を高める効果も期待できるでしょう。
まとめ
広報活動をうまく進めたいのであれば、失敗する理由を理解しておきましょう。
広報活動が失敗するのは、経営層との連携不足や、コツコツ継続していくことの重要性を理解しているにも関わらず優先度が低いことを挙げました。
また、広報活動と他の業務を兼任するやり方や、ノウハウが確立しないまま内製化する場合も失敗する要因になります。
そのため広報活動を効果的に行っていくには、
- 経営層と広報担当者で広報戦略を立てる
- 自社が抱える課題から広報活動の目的を明確にする
- 広報活動の成功を要件定義する
これら3つを念頭に戦略を立てていきましょう。
広報活動は、時間はかかるかもしれませんが発信し続けることで確実に効果は表れてきます。
発信内容を通じて自社のファンが増え、ファン同士がSNSで広めてくれる可能性もあります。
それらを見越しつつ、無理なく行える範囲で継続的に情報発信を心がけていきましょう。