商品・店舗で重要なネーミングの選定方法を解説

私たち個人の名前と同じ様に、商品や店舗の名前も非常に重要です。名前ひとつで売上が大きく伸びたり、一方なかなか売れないということもしばしばある話です。

商品や店舗の名前も一種の重要なマーケティングツールなので、その点を意識しておくことで、今後の展開にも変化が起こるでしょう。

今回は、商品や店舗の名前について詳しく解説していきます。

ネーミングとは


ネーミングとは、ある商品や店舗に名前をつけることを指します。このネーミングによって売上や集客に大きな変化も出るため、とても重要なものになります。

たとえばお茶ひとつとっても、そのまま「お茶」として販売してもヒットはあまり期待できません。企業独自の思いであったり、製作に込めた思いを反映したりするなど、独自性を出すことがネーミングには求められます。

しかし気をつけなければならないのが、奇抜すぎる名前をつけることです。目立たせるために特異な名前をつけようと考えることも想像できますが、あまりにも商品イメージとかけ離れたものや、商品や店舗がイメージできないネーミングの場合には、逆に売上が下がってしまう可能性もあります。

そのため商品の価値や提供したいものを具体的にイメージできるネーミングにすると良いでしょう。

なぜネーミングが重要なのか


それでは、なぜこれほどまでにネーミングが重要と言われるのでしょうか。それには、過去の多くの企業がネーミングによって成功を収めているからという理由があります。

ネーミングで大きな成功を収めた商品で有名なものとして、伊藤園から発売されている「お〜いお茶」が挙げられます。いまではこの名前を知らない人はいないでしょうし、「お茶」と聞いたら一番に思い浮かぶという人も多いことかと思います。

しかし、ネーミングを変更するまではまったく売れない商品でした。発売当時は「缶煎茶」という名前で販売されていました。売上が伸びないため、アンケートを実施したところ、ネーミングの「煎茶」が読めないという声や読みにくいとの声が多く届きました。

さらに調査をしていくと、我々日本人は緑茶に対して家庭的なものを感じることが判明したため、現在の商品名である「お〜いお茶」に変更しました。このネーミングが成功し、売上は約40億円まで伸び、大成功を収めました。

「お〜いお茶」に限らず、世の中にはネーミングにより成功した商品はいくつもあります。つまりそれだけネーミングが売上にとって重要だということです。

また、ネーミングに価値を盛り込んだり、企業理念や目標を盛り込んだりすることもできるため、企業の認知度を高めることも可能です。

ネーミングはそれだけで企業活動のさまざまなものに関わってくるため、非常に重要視されています。

ネームに価値を盛り込むことができる

ネーミングのメリットとして、ネームに価値を盛り込むことが可能です。商品名にその商品が与えるメリットや特徴、それにより与えられる価値を盛り込むことで商品の価値を端的に伝えることが可能です。

商品を手にするときには、商品名が目に入りますし、店舗に入る前にも店名を見ることが多いでしょう。そのため、商品の特性や価値を名前に盛り込むことで、選んでもらえる可能性が高まります。

企業理念や目標等の意味を盛り込むことができる

ネーミングに企業理念や目標を盛り込むケースも多くあります。企業理念や目標は会社の重要な思いでもあるため、企業名の認知だけではなく、どのような価値を提供したい会社なのかという視点からもアピールすることが可能です。

最近では企業理念に対する顧客の意識も高まっており、どのような理念を掲げて経営しているのかといったことや、それに対しどのような結果を出しているのかについても注目されています。そこで商品名や店舗名に入れることにより、そうしたニーズに応えることも可能です。

ネーミングは店舗や商品の印象に大きく影響を与える


ネーミングが店舗や商品に与える影響は非常に大きいものになります。前述した「おーいお茶」は、ネーミングを変えたことにより大ヒット商品となり、現在でも多くのシェアを獲得しています。それだけネーミングが与える影響が大きいため、各社ネーミングには非常に力を入れています。

他にもネーミングで成功した事例として、花粉症の方には必須のティッシュであるネピアの「鼻セレブ」があります。ティッシュにも数多くの種類がありますが、「鼻セレブ」はその中でも差別化に成功し、多くのファンを獲得しています。

もともとは「モイスチャーティッシュ」という名前で販売をしていた同商品ですが、1996年の発売当初は保湿ティッシュが有名ではないこと、パッケージにインパクトがなかったことが災いし、売上が伸び悩んでいました。

そこで商品名やパッケージデザインを変更するプロジェクトをスタートし、「鼻セレブ」という商品名が誕生しました。インパクトのある名前、そして「セレブ」というどことなく高級感を漂わせる名前は、多くの消費者の興味をそそりました。

また、パッケージにはうさぎなど、ふわふわな毛並みの柔らかいイメージを持つ動物を採用することで、商品のイメージを発信しました。これが功を奏し、売上は10倍以上になり、大成功を収めました。

ネーミング選定は簡潔で覚えてもらいやすい形が前提


ネーミングは商品や店舗にとって非常に重要ですが、簡潔に覚えてもらいやすくすることが大切です。これまでに述べてきたように、「価値を盛り込む」「企業理念や目標を盛り込む」ことを重視しすぎると、インパクト重視の奇抜なものになったり、長くて伝わりづらいものになったりする可能性もあります。

しかし、そうしたネーミングは逆に手に取られず敬遠されてしまう場合が多くなります。商品名は購買意欲をそそるものでなくてはなりませんが、上記のような場合には逆効果になってしまう可能性が高いからです。

前述した「おーいお茶」も「鼻セレブ」もインパクトはありますが、奇をてらっておらず、わかりやすく簡潔で覚えやすい名前になっています。そのため一度手にした消費者が次回以降購入する際にも頭に浮かびやすいですし、友人や知人、SNSで勧めてもらえる可能性も高まります。

最近ではTwitterやInstagramなどのSNSでの拡散により、売上が爆発的に伸びるケースも多く見受けられますし、Youtubeなどの動画コンテンツで紹介されることで認知度が高まるケースも増えています。

そうした際にも耳に残りやすいネーミングであれば、消費者が売り場で思い出したり、目にした際に手に取りやすい理由のひとつにもなりえます。

そうした点からも、ネーミングは簡潔に覚えてもらいやすくしておくと良いでしょう。

まとめ

今回は、ネーミングの方法について様々な角度から解説してきました。名称を変更するだけで、売上が大きく伸びたり、反対に落ち込んだりする可能性があります。

そのためネーミングについては、しっかりと考えていくことが大切です。今回の記事を参考に、自社の商品や店舗のネーミングについて考えてみてはいかがでしょう

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