当記事では、インナーブランディングと採用ブランディングの重要性について解説していきます。
この記事を読むことで、以下の理解が深まります。
- インナーブランディングと採用ブランディングの考え方
- インナーブランディングと採用ブランディングのメリットとデメリット
「既存社員のモチベーションを向上させたい」
「採用活動が活発になるようなブランディングをしたい」
もし、そう考えているのであれば、社内に向けたインナーブランディングと採用活動に特化した採用ブランディングについて理解を深めていきましょう。
インナーブランディングと採用ブランディング、それぞれが企業に対してどう影響があるのか、実施するメリットや期待される効果を踏まえて解説していきますね。
目次
インナーブランディング とは
インナーブランディングとは、既存社員に向けたブランディングです。
企業理念やビジョン、企業が大切にしている価値観など、全社員への浸透化を目的としています。
インナーブランディングの具体的な方法は大きく分けて以下の2つのタイプがあります。
①フロータイプ:効果が一時的にみられる
期待される効果:帰属意識の向上、職場幸福度の向上
- 納会
- 社内報
- ポスター
- 表彰制度
- 社内外のイベント など
②ストックタイプ:継続的な効果が見込まれる
期待される効果:モチベーションの向上、業務効率の向上
- クレド
- 研修教材
- 社内ポイント
- サンクスカード
- WEB社内掲示板
- マニュアル動画
- 自社の創業からの歴史動画 など
どのタイプの施策が良いかを検討するために、まずは現状の把握と課題点の洗い出しから行いましょう。
現状の課題点や改善点を見つけていくことで、ベストな施策を取り入れられます。
採用ブランディングとは
採用ブランディングは、採用戦略のひとつです。
採用活動において自社をブランド化することを目的としています。
そのため、新卒、中途問わず、求職者が採用ブランディングのターゲットとなります。
また、採用ブランディングの立ち位置としては、アウターブランディングの一部と理解しましょう。
採用ブランディング=アウターブランディングではない、という点に注意です。
アウターブランディングの意味と役割
アウターブランディングは、社外(顧客、取引先、消費者)を対象にしたブランディングです。
企業が商品やサービス、企業理念、ビジョンを
- テレビCM
- 雑誌の広告
- WEB上の広告
- 街のポスター、広告
などを通してPRしていきます。
それに対して採用ブランディングは、求職者にターゲットを絞り、採用に特化した情報を、
- 自社サイトのブログ
- 採用メディア
- SNS
などで発信、PRしていきます。
募集要項などの従来の採用情報に加え、企業理念や社風、既存社員の様子などをコンテンツ化して発信していくのが採用ブランディングなのです。
インナーブランディングと採用ブランディングのメリットと課題点
ここから先は、インナーブランディングと採用ブランディングのメリットや課題点について解説していきます。
- インナーブランディングのメリット
- 採用ブランディングのメリット
- インナーブランディングと採用ブランディングの課題点
これから取り入れる、あるいはブランディングを見直したいのであれば理解するべき点です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
インナーブランディングを実施するメリット
インナーブランディングのメリットは、以下が挙げられます。
- 離職率の低下が期待できる
- 社員幸福度や帰属意識が向上する
- 社員が企業理念やビジョンを再認識する
- 既存社員のモチベーション、業務効率、仕事の質が上がる
- 自社の価値や大切にしていることを既存社員が自発的に発信するようになる
- 企業理念が浸透しているため「何のための業務なのか」と理解してもらいやすくなる
インナーブランディングを行うことで、企業理念やビジョンが浸透しやすくなります。
企業理念やビジョンが浸透されれば、既存社員は日々の業務の意味を理解しやすくなります。
理解しやすくなった分、一つ一つの作業に責任を持って仕事に取り組むことができるでしょう。
さらに言えば、自社商品やサービスに対して誇りや愛着が湧く、といった効果も得られるかもしれません。
結果、企業理念やビジョンに沿った商品やサービスを作りやすくなり、企業としてのブランド価値が上がることも大いに期待できるのです。
採用ブランディングを実施するメリット
採用ブランディングのメリットは、以下が挙げられます。
- 採用にかかるコストを最小限に抑えられる
- 採用ペルソナにあった人材の応募が集まりやすくなる
- 自社が求める人材が集まることで選考がスムーズになる
- 内定辞退、ミスマッチによる早期離職の予防になる
- 企業理念やビジョン、社風に共感してもらえる=ミスマッチの予防になる
採用ブランディングは、自社のファンを増やす活動とも言えます。
採用ブランディングにしっかり取り組むことで「この企業で働きたい!」と、求職者に抱かせることができるでしょう。
ファンとなった求職者に入社してもらうことで、社員定着率やエンゲージメント向上が期待できます。
また、自社でしっかり情報発信できれば、採用のための広告にお金をかけなくても済むようになります。
たとえば「〇〇企業のバーチャルツアーが面白かった!」「〇〇会社の投稿が気になる!」などWebやSNSを通して口コミが広がれば、より多くのターゲットにアプローチできるでしょう。
ターゲットとなる人材を絞り、その人に向けて情報発信できれば、自然と求職者が集まる仕組みが出来上がるのです。
インナーブランディングと採用ブランディングの課題
インナーブランディングと採用ブランディングの課題点は、以下のとおりです。
インナーブランディングの課題点
- 短期間で効果は出ない
- 定期的に効果測定を行う必要がある
- 全社の協力がなければ実現できない
- 施策内容によってはコストがかかる場合がある
- 企業理念、ビジョンが不十分だと効果は期待できない
- 既存社員の価値観を強要しかねない(多様性がなくなる恐れ)
採用ブランディングの課題点
- 短期間で効果は出ない
- 情報発信は継続的に行っていかないといけない
- 人事担当だけでなく社内全体で取り組まないといけない
このような課題点が挙げられますが、インナーブランディングと採用ブランディングを確立できれば、入社前後のギャップを防ぐことができ、社員の定着率向上につながります。
前項に挙げたメリットを踏まえると、取り入れる価値は大いにあると言えるのではないでしょうか。
まとめ
インナーブランディングと採用ブランディングの効果としては、以下が挙げられます。
インナーブランディングの効果
- 企業理念、ビジョンが浸透される
- 帰属意識が高まり離職率が低下する
- 既存社員のモチベーションの向上と、業務効率化が期待できる
採用ブランディングの効果
- 求職者の興味、関心、共感を得やすくなる
- 共感してもらえることで入社前後のギャップを予防できる
- 採用ミスマッチによるモチベーションの低下、早期離職を防止できる
インナーブランディングと採用ブランディングは、既存社員と求職者の両方に、企業理念やビジョンを深く理解させ、浸透させることができる、という点が共通しています。
既存社員と入社を希望する求職者が、企業理念やビジョンを深く理解することで「会社のためにはどう行動すべきか」を考えられるようになります。
結果的に業務効率の向上だけでなく、既存社員の幸福度も上がるため、より良い商品やサービス創出につながりやすくなるのです。
インナーブランディングと採用ブランディングは、今後ますます企業にとって必要不可欠な取り組みになるかもしれません。