テレビやネット広告、雑誌や電車内の広告などを見ると、必ずキャッチコピーがあります。音楽や曲に乗せてキャッチフレーズを歌う場合は耳に残りますし、語呂の良いキャッチフレーズであれば音楽や曲が無くとも人々の頭の中に残ることもあります。
人によっては好きなキャッチコピーや思い入れのあるキャッチコピーがあったりするでしょう。
そんなキャッチコピーですが、さまざまな呼び方があるのはご存知でしょうか?
キャッチコピーと同じように使われる「キャッチフレーズ」「ヘッドライン」がありますが、それぞれの言葉は一体どのような意味や役割があるのでしょうか。
今回はキャッチコピーとキャッチフレーズ、ヘッドラインの違いについてと、その意味と重要性を解説していきます。
キャッチフレーズとの関連性の高い、ブランディングについては「認知向上に欠かせないブランディング戦略とは」の記事で解説しています。
目次
キャッチコピーとは何か
そもそもキャッチコピーとはなんでしょうか。
実はキャッチコピーは和製英語で、海外ではキャッチフレーズやヘッドラインと呼ばれています。
意味としては、相手の心をキャッチするコピーがあります。
キャッチコピーの多くは一言だったり、一行程度だったりと短いものが主流です。仮にこのキャッチコピーについての説明も一言でうまくまとめ、相手の心に残るものであれば、それも一種のキャッチコピーになります。
キャッチコピーは商品の売上に大きく影響しますので、キャッチコピーを決める際は企業内の有力者で時間を掛けて考案したり、有名なコピーライターに依頼する等、力を入れる企業が多いと言えます。
一昔前のバブル期では「キャッチコピーは一行100万円」と言われたこともあり、それだけ重要性が高く、価値のあるものなのです。
無論、現在でもキャッチコピーの重要性は非常に高いため、「一行100万円」ではないにしても、大きな価値があることに間違いはありません。
キャッチフレーズとは何か
キャッチコピーと似た言葉に、キャッチフレーズがあります。
この違いについては先述した通り、キャッチコピーは和製英語、キャッチフレーズが英語圏で使われるものになります。
つまり意味自体に変わりはなく、日本国内では「キャッチコピー」英語圏では「キャッチフレーズ」と理解しておけば良いでしょう。
ヘッドラインとは何か
もう一つ、キャッチコピーと似た言葉にヘッドラインという言葉があります。
前述で軽く触れたようにヘッドラインもキャッチコピーやキャッチフレーズとほぼ同じ意味を持ち、こちらも英語圏で使われています。
そもそもヘッドラインとは、
- 新聞の大見出し
- 雑誌、本、広告などの大見出し
これらを意味しています。ヘッドラインは1880年頃からアメリカの広告業界で使われ始めたようで、現代でも使われています。
こちらも意味自体に大きな違いはなく、同意義と認識していて相違ありません。
多くの企業がキャッチコピーを掲げる理由
それではなぜ、これほどまで多くの企業が商品やサービスでキャッチコピーを掲げているのでしょうか。
それは、キャッチコピーによる商品の訴求力の向上、認知度の向上(ブランディング)、そして高倍率の向上が期待できるからです。
特に耳に残ったり、インパクトのあるキャッチフレーズであれば、ふとしたときに思い出したり、店頭で見かけた際には手にとってもらえる可能性が高まります。
キャッチフレーズの利点は、短文なのに商品やサービス、企業の事がわかる(イメージできる)ことです。
よく雑誌や新聞等の広告でキャッチフレーズと商品の説明が長文で書かれているものがあります。
既知の商品や好みの商品であれば長文でも読まれる可能性はありますが、その商品を見るのが初めてだった場合ではキャッチフレーズの完成度が非常に高くないと、最後まで読んでもらえる可能性が低くなります。
すると商品に関心を持たれず認知もされず、結果的に売上も伸び悩んでしまうかもしれません。
一方で、相手を惹きつける魅力あるキャッチコピーだった場合は、精読率が格段に上がることが期待できます。
精読率が上がることで商品の内容を理解、把握する事ができますので、商品の認知度、そして売上の向上が期待できます。
そのため、キャッチコピーには、商品を知ってもらい手にとってもらうための仕掛け作りといった役割もあります。
キャッチコピーの3つのメリット
キャッチコピーの役割は先述の通りですが、それ以外にもいくつかのメリットがあります。
今回はその中から、
- 商品や企業の特徴を簡易的に伝えることができる
- 商品へ付加価値をつけることができる
- キャッチコピーが耳、頭に残り記憶として認識する
を紹介します。
メリットを把握しておくことで、実際に利用する場面でもより効果的に進めることができるでしょう。
メリット①:商品や企業の特徴・イメージを簡潔に伝えることができる
まずは、商品や企業の特徴を簡易に伝えることができるということが挙げられます。
商品を売り出す際には、その商品の特徴はもちろん、企業の特徴を述べることが大切です。
なぜなら顧客がその商品を選ぶ際に、なぜその商品を手に取るのかという裏付けを作る必要があるからです。
何気なく手にとっている様に思える商品も、実は「キャッチコピーが耳に残っていた」「企業のファンだから」という心理が働いています。
それらを顧客が意識している場合もあれば、無意識にそうしている場合もありますが、いずれも企業のマーケティングの結果が現れているといって良いでしょう。
多くの場合、キャッチコピーは一言だったり、短文だったりと、読み手に対して負荷をかけないものになっています。
それにより余計に耳に残りやすいものになり、店頭やWebページ閲覧中に思い出してもらうことが可能です。
優れたキャッチコピーはいずれも短くインパクトがあり、訴求力の高いものになります。
そうした商品や企業の特徴を捉えたキャッチコピーは長期的に使用され、顧客へのアピール度も高いものになります。
メリット②:商品へ付加価値をつけることができる
2つ目は、商品へ付加価値をつけることができることです。付加価値がつくことで商品の価値は高まり、顧客に選ばれる可能性が高くなります。
顧客のニーズを満たすことも大切ですが、それだけでは差別化にならず、競合他社と比較した際に選ばれる可能性が高いとは言えません。
そこでキャッチコピーを利用し、付加価値をアピールすることで手にとってもらえる可能性を高めることが可能です。
例えば現在では主流になっている取っ手が取れるフライパンの「ティファール」ですが、フライパンとしての機能はもちろん高いのですが、付加価値として「取っ手が取れること」があります。
これにより通常のフライパンとはちがい、収納場所を大きく取る必要がなくなり、スペースを有効活用することが可能になりました。このようにティファールには非常に大きな付加価値があります。
しかし、この価値を通常の文章で書いていては長くなるだけではなく、読みづらかったり伝わりづらかったりする可能性があります。
一方で「取っ手が取れるティファール」とすることで、付加価値が非常にわかりやすくなり、顧客の興味をそそることができます。この様に適切なキャッチコピーをつけることで、付加価値の訴求をおこなうことができ、商品価値の向上にも寄与することが可能です。
メリット③:キャッチコピーが耳、頭に残り記憶として認識する
3つ目は、キャッチコピーが耳、頭に残り記憶として認識することです。商品名はなかなか覚えられない場合にも、なぜかキャッチコピーは覚えているということがありませんか?
キャッチコピーは覚えやすいものが多いため、耳や頭にも残りやすく、記憶として認識するようになります。
そのため売り場でも商品を見た際にキャッチコピーを思い出し、商品を手に取ってもらえる可能性が高まります。
キャッチコピーにもいろいろなものがありますが、「セブンイレブンいい気分」「ファイト!一発!」「すぐ美味しい、すごく美味しい」「レッドブル、翼を授ける」などはほとんどの方が知っているものではないでしょうか。
特にメロディーがついているようなフレーズの場合、音としても耳に残るため、特に記憶に残りやすくなります。
まとめ
今回はキャッチコピーについて、その意味と重要性を解説して来ました。キャッチコピーはいつの時代にもマーケティング戦略として活用されてきており、商品の売上にも大きく貢献してきました。
幼少時代に耳にしたキャッチコピーを今でも思い出すといった経験をされる方も多いのではないでしょうか。
そうした現象があるほどに、キャッチコピーは頭にも耳にも残るものなので、適切に利用すれば競合他社との差別化や売上も伸ばすことが期待できます。
今回の記事を参考に、自社製品のキャッチコピーづくりに活用してみてはいかがでしょうか。