当記事では、採用広報で情報として発信するコンテンツを考える上で必要なポイントについて解説していきます。
この記事を読むことで、以下の理解が深まります。
- 採用マーケティングと採用広報のメリットとそれぞれの違い
- 採用広報でのコンテンツの具体的な作成方法
「採用広報ではどんな情報を発信していけば良いのだろう」
と悩む場合には、採用マーケティングを理解しましょう。
採用広報で効果的に情報発信をしていくには、自社が求めている人材のペルソナを設計し、そのペルソナに合わせて情報発信する内容や媒体を変えていく必要があります。
そしてペルソナに向けて効果的な情報発信をしていくには、採用マーケティングの考え方が必要なのです。
目次
採用広報とは?

採用広報とは、ペルソナに向けて以下を実現させるための活動を指します。
- 応募を増やす
- 選考中の辞退を防ぐ
- 選考後の内定辞退を防ぐ
- 入社後の定着率を向上させる(オンボーディングによって早期離職を防ぐ)
これらを実現するためには、一般的な採用情報や業務内容に加えて
- 既存社員の様子
- 普段の社内の雰囲気
- 自社が実現したいビジョン
などをオウンドメディアやSNSを通して発信していくことが効果的です。
ペルソナとは ・年齢 ・性格 ・価値観 ・過去の経験 ・キャリアビジョン など、学歴や経歴のみで選別せず、幅広い視野を持って選別した求める人物像のこと。 |
採用広報は、言い換えるなら自社の成長と未来に向けた情報発信だと理解すると良いでしょう。
入社した人材が定着してくれるほど、企業の成長につながりやすくなります。
そして入社した人材に心地よく在籍してもらうには、自社の考えや理念に共感してもらうことが大切です。
継続的に情報発信し続けなければ、自社が求める人材に巡り合うことは難しいのだと理解しましょう。
採用広報を行うメリット
採用広報を行うことで得られるメリットは以下の4つが挙げられます。
- ペルソナに共感されやすくなる
- 選考がスムーズになり、効率よく面接を行うことができる
- ミスマッチ、早期離職率の低下が期待できる
- 既存社員のエンゲージメントの向上が期待できる
求職者は採用広報で得た情報から企業の魅力やビジョン、社内の雰囲気などに共感しやすくなるでしょう。
その結果、求職者は発信されている情報から安心感を抱き、志望度が上がった状態で応募、選考に進んでもらいやすくなります。
志望度が上がれば、面談、選考、内定承諾までもがスムーズになり採用活動にかかるタイムパフォーマンスの向上も期待できます。
また、採用広報に力を入れることで入社前後のギャップを少なくすることができ、ミスマッチを防ぐことができます。
また、ミスマッチを防ぐことで入社後の社員の定着も期待でき、早期離職を防ぐことにもつながります。
さらに採用広報は、既存社員のエンゲージメントを向上させる効果も期待できます。
既存社員の
- 入社した理由や仕事に対する意識をコンテンツ化
- 普段の仕事の様子や働き方をコンテンツ化
- プライベートの一部をコンテンツ化
などの取り組みで採用広報に関わることで、仕事に対するモチベーションを高めやすくなります。
自社の採用広報のコンテンツを見ることで、企業のビジョン、価値観を改めて再認識、共感する機会を得られ、企業に対するエンゲージメントが高まりやすくなります。
このように採用広報は、これから入社する人材と既存社員の双方に大きなメリットがある取り組みでもあるのです。
採用マーケティングとは?

採用マーケティングとは、ペルソナ設計をしそのペルソナに向けて適切なアプローチを施していくことです。
採用マーケティングでは、自社が求める人材へ適切にアプローチしていくためにはどうしたら良いかを戦略的に考えていきます。
まずは、自社がどんな人材を獲得したいのかを細かく決めていく必要があります。
それが「ペルソナ設計」です。
効率よく、採用広報に取り組むには、社内で選定したペルソナについてよく調べる必要があります。
選定したペルソナの思考や価値観、何に対して興味、関心を持つのか、世代によって共感するポイントが異なるためです。
そのため、それぞれのペルソナに合わせて、ニーズとなる情報がなにかを考慮する必要があります。
採用マーケティングを取り入れるメリット
採用マーケティングを踏まえた上で採用広報の情報発信ができれば、自社の情報の露出度が多くなり、認知度向上も期待できます。
できるだけ多くのペルソナにアプローチするには、自社の認知度を高めなければなりません。
インターネットやSNSで情報を得る機会が多い中、オウンドメディアやSNSを通して継続的に情報発信に取り組めば、自社が求めるペルソナにもアプローチしやすくなるでしょう。
採用広報と採用マーケティングの違い

採用広報と採用マーケティングの違いについて確認してみましょう。
採用広報:ペルソナに向けて継続的に情報発信していく活動 採用マーケティング:ペルソナがどんな人材なのか調査していく活動 |
採用広報と採用マーケティングは別々に考えられがちですが、2つを組み合わせることで効率の良い採用活動ができると理解すると良いでしょう。
採用広報をはじめる際には、
- 自社の魅力を言語化する
- 自社の何を知ってもらいたのか情報を整理する
- ターゲットとなる人材のペルソナを設計する
- ペルソナが求めているであろう情報を集める
といったステップで進めていくと良いでしょう。
収集した情報と社内で整理した情報の中でペルソナにあった情報は何があるのか照らし合わせた上で、コンテンツを作成していきます。
また、採用広報をはじめる前にKPI(Key Performance Indicator:ゴールのための目標指数)を長期と短期で決めておくと良いでしょう。
例:
長期的なKPI=採用広報としてのKPI ・応募数(どのくらいの認知度か) ・選考通過数、通過率(採用ペルソナの取得率) ・内定を承諾した数(どのくらいの志望度か) ・入社後の定着率、早期離職率(どのくらいの共感度か) |
短期的なKPI=オウンドメディア、SNSのKPI ・PV数 ・動画などの視聴率 ・インプレッション ・エンゲージメント ・フォロワー数 ・プロフィールへのアクセス数 |
目標に対してどのくらい達成できているのか、確認と検証をしていくことで改善や目標の修正がしやすくなり、採用広報を継続しやすくなります。
採用マーケティングを取り入れた採用広報でのコンテンツの作成方法

採用マーケティングを踏まえながら、どのように採用広報のコンテンツを作成していくのか具体的に見ていきましょう。
採用広報のコンテンツは4つのプロセスに沿って作成していきます。
- 自社の課題を知る
- 自社の魅力を知る
- ペルソナを設定する
- 情報発信する媒体を選定する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
プロセス①:自社の課題を知る
自社が抱えている課題を洗い出しましょう。
課題解決のためにどのような人材が自社に必要なのか見えてくるからです。
例えば、建設会社が採用広報のコンテンツを作成していくとします。
※登場する人物や事例は全てフィクションです
業態:建設業界
課題1:若い世代の人材がほしい ・既存社員の年齢層が比較的高く若年層の人材が欲しい ・数年のうちに定年退職を迎える社員が5〜10人いる そのため、退職者の数を補いたい 課題2:建設業界のイメージを良くしたい 建設業界=3K(キツイ、キケン、キタナイ)というイメージが根強く、応募者が増えていない 自社の職場はおしゃれ、かつフレキシブルでイメージとは正反対な環境である 自社イメージだけでなく、建設業界全体のイメージもより良くしていきたい |
これら2つの課題から見えてくるのは
- 若い世代に向けて採用広報のコンテンツを作っていく必要がある
- 募集内容に加えて職場の雰囲気、仕事内容に関する情報発信をしていく
となり、これらを考慮するとコンテンツを作るためのヒントが見えてきます。
プロセス②:自社の魅力を知る

自社の課題を把握でき次第、自社の魅力を分析していきましょう。
自社の魅力は4Pを活用していくと求職者に伝わりやすくなります。
採用における4Pとは以下を指します。
Philosopy:理念・目的(企業理念、ビジョンの魅力) People:人・風土(既存社員との交流で得られる魅力) Profession:仕事・事業(自社の活動に対する魅力) Privilege:特権・待遇(自社の社員になることで得られる魅力) |
例として、先ほどの建設会社の魅力を4Pに当てはめてみましょう。
Philosopy:理念・目的
建設業界のイメージを大きく変える
建設業界のあるべき姿は「キツイ・キケン・キタナイ」ではない
People:人・風土
建設業界のネガティブなイメージから人手不足などで苦労してきた
そのため「後輩にはそんな思いをさせたくない!」と考えている既存社員が多い
Profession:仕事・事業
すべての人が心地よいと感じる空間を創り上げる
ただそのためには楽な仕事ばかりではない
大変なこと
- 納期の厳守
- 安全管理や品質管理の徹底
- 天候や予期せぬトラブルで工事スケジュールが滞る
大変なことも多いが、得られるものも大きい
得られるスキル
- 建築スキル
- 打たれ強くなる
- 危険予知、問題解決能力
- コミュニケーション能力
やりがい
- スケールの大きいものづくりに関われる
- 自分の作ったものが地図に残る
- 協調性が養える
すべての人が心地よいと感じられれば、毎日穏やかに過ごせる
穏やかに過ごせる時間ほど、価値あるものだと感じてる
Privilege:特権・待遇
福利厚生以外にも、頑張った社員には「特別な待遇」がある
一定の売上を生み出したら車をプレゼント
ペルソナに共感を得やすくするためには、人事制度や福利厚生に加え、苦労話や社員が経験したことなどの社内エピソードを、できる限りオープンに発信していくことがカギになる
プロセス③:ペルソナの設定
プロセス①で得た自社の課題を踏まえて、ペルソナを設定していきましょう。
建設会社が「採用したい!」と思う人材を決めていきます。
採用ペルソナ① 年齢:20代前半 性別:女性 性格:明るくて元気 楽しいことはとことん楽しめる人! スキル:なくて良い 家族構成:独身 キャリア:学歴不問、建設業界に興味があれば可 職場に求めていること:良い雰囲気で働ける環境 採用ペルソナ② 年齢:30代 性別:男性 性格:ポジティブ スキル:前職ではPM(プロジェクトマネージャー)を担当。 冷静に状況把握をする事ができる。 家族構成:妻、息子、娘あり キャリア:新卒で建設会社の営業を担当、4年後に別の会社へ転職しPMを担当 職場に求めていること:上に相談した事項がスムーズに進むこと 何ごとも進捗状況が把握しやすい環境 |
採用ペルソナはあまり細かく決めすぎてはいけません。
細かく決めてしまうと、該当する人材が見つかりにくくなります。
また、ペルソナ設計の際は他部署の方の意見も取り入れましょう。
もしペルソナ通りの人材に巡り合わないのであれば、もう一度ペルソナを設計し直しましょう。
自社にとって理想的な人材像を定めておくことは大切ですが、すべてが完全にマッチする人材はなかなか見つかりません。
できるだけ柔軟にペルソナを設計していくことも大切だと理解しましょう。
プロセス④:情報発信先の選定

設計したペルソナに合わせて情報発信を行っていきましょう。
まずは情報発信する媒体を選んでいきます。
例:20代向けに発信するのであれば
- オウンドメディア
- SNS(Twitter、Instagram、YouTube、Facebookなど)
- 外部求人ポータルサイト(マイナビ、リクナビ、エン転職など)
オウンドメディアだけでなく、ペルソナ設計で決めた世代の特徴から利用頻度の高いツールを活用しながら情報を発信していきましょう。
早い段階から自社の認知度を上げたいのであれば、外部求人サイト(マイナビやエン転職など)への掲載も同時に行っていくと良いでしょう。
発信するコンテンツのまとめ

採用広報のコンテンツを作成する際は、以下の流れで進めていきましょう。
- 自社の課題、魅力、強みを洗い出す
- 採用マーケティングの視点でペルソナを設計していく
- ペルソナに刺さるようなコンテンツの内容を考えていく
- ペルソナを調査し利用頻度の高いツールで情報発信していく
今回ご紹介した内容は、あくまでひとつの方法です。
先程の建設会社で例えるとしたら「建設業界のイメージを変えたい」という内容であれば、工事現場の仕事に密着した記事のようなコンテンツが作成できます。
リアルな仕事現場を発信できるので、ネガティブなイメージがポジティブなものに変わるでしょう。
あるいは、後輩想いの社員がいる、という魅力を発信したいのであれば既存社員の単独インタビューをコンテンツにできます。
「特別な待遇」について作成したいのであれば、社内に資格取得を支援する体制を整えて、現場で活かせる資格の取得までサポートについて、採用広報のコンテンツにすることもできます。
このように考えれば「コンテンツにするネタがない」ということで悩むことがなくなるでしょう。
ペルソナから共感を得るには、企業のリアルな姿をできるだけオープンに見せることです。
採用マーケティングを上手に取り入れながら、採用広報のコンテンツづくりと継続的な情報発信を心がけていきましょう。