当記事では、広報とはなにか、広報の仕事とはなにか、どのような広報活動があるのか、令和における広報の仕事内容について解説していきます。
この記事を読むことで、以下の理解が深まります。
- 広報の業務内容
- 広報に必要なスキル
- 業界によって異なる広報活動の方法
- 広報を求人募集するときのポイント
広報と聞くと、具体的な仕事内容のイメージが湧かない方もいるでしょう。
中には、宣伝やPR、マーケティングなど、似ている職種と混同する方もいるかもしれません。
広報は、企業が大きく成長していく上で重要な役割を持つ職種です。
「広報の仕事がしたい」「広報とは具体的にどんなお仕事なのか知りたい」という方のために、身につけておくべき知識とスキルをご紹介していきます。
目次
広報担当はなぜ必要なの?
企業において広報担当とは、企業の羅針盤のような存在です。企業の知名度を高めたり、印象を左右する重要なポジションを担っています。
社会や業界のトレンド、他社の動向を常にチェックし、それらが自社にどのような影響を与えるのか、そして自社としてどう進めば大きく成長するのかを経営陣にアドバイスすることも広報担当の役割になります。
広報活動には、
- メディアリレーションの構築
- 社内外問わず円滑なコミュニケーション
- 認知度拡大のために企業の取り組みなどを周知
といったアウターブランディングと、
- 社員の帰属意識を高める社内報の作成
- 社員のエンゲージメントを向上させる施策の推進
といったインナーブランディング、そして自社にとって本当に必要な人材を獲得するための採用活動(採用広報)も含まれています。
アウターブランディング、インナーブランディング、採用活動を円滑に進めていくのが広報担当です。
それゆえ広報活動は、企業にとって欠かせない存在なのです。
主な広報活動は、
- 社外広報
- 社内広報
に分かれます。それぞれ詳しく解説していきます。
社外広報とは?
社外広報の業務内容を例としてご紹介します。
社外広報の例・業務一覧 ・会社案内作成イベント企画 ・運営採用広報の情報発信インタビュー調整 ・対応マスメディア調整 ・対応インフルエンサー調整 ・対応プレスリリースの企画、作成 ・配信その他問い合わせ、リスク管理対応 ・「オウンドメディア」「SNS」「メルマガ」などの運営、更新、管理 |
社外広報は、アウターブランディングの取り組みのひとつです。
プレスリリースの配信や取材の対応、企業の認知度を高めるためにSNSやブログの配信を行い、企業のイメージをコツコツを形成していく業務になります。
社内広報とは?
社内広報の例・業務一覧 ・クリッピング ・社内のネタ収集 ・メディア掲載報告 ・社内向けイベント企画 ・新たな制度策定、運用 ・社内広報勉強会の実施 ・社内報やブログの企画、運営 ・ライバルリサーチ、競合他社調査の報告 |
社内広報の業務内容は以下が挙げられます。
クリッピングとは「テレビ、ラジオ、雑誌、Webなどのメディアで取り上げられているコンテンツの中から指定の条件に一致したものを見つけ、切り抜き、クリップ(保管)することを指します。
クリッピングをする目的は、
- PRを担当した案件の効果測定をするため
- 今後の広報の参考としてストックしておくため
- 自社と関連性のある報道の内容を調査し、広報戦略のヒントを得るため
が挙げられます。
社内広報はインナーブランディングの取り組みとして重要視されています。
例えば、コミュニケーションを活性化させる社内報(社内SNS)や社内ブログは、テレワークが進む中で既存社員の帰属意識を高めるのに有効な手段になります。
なぜならリモートワークが主流の企業や社員数の多い企業では、誰がいつどのような活躍・活動をしたのかを知らないこともあるでしょう。
そのため、社内報を通じて社員の活躍・活動を周知させることができ、帰属意識を高めることが期待できるのです。
広報担当に必要なスキルとは?
広報担当に必要なスキルは、主に以下が挙げられます。
- 情報収集力
- 巻き込み力
- 文章や言葉で伝える力
- 危機管理能力
これらはあくまで一般的な内容であり、企業によって任される業務が異なります。
「PRプランナー資格認定制度」という唯一の広報専門資格も存在しますが、広報担当全員が持っているわけではありません。
特に資格は必要なく、未経験からでも広報担当を目指すことができます。
その上で上記4つの必要なスキルは、仕事をしていくうちに身につけていくイメージです。
それぞれのスキルについてご紹介していきます。
習得したいスキル ①情報収集力
広報は自社がより良い方向に進めるよう社会や業界の動向、他社の取り組みを敏感にキャッチし、持ち込む力が必要とされています。
どの情報が会社にとって必要なのか信憑性なども含め、常にアンテナを張ることも求められます。
信憑性のある情報を得るには、例えば
- いつその情報が出たのか確認する
- 一次情報がどこからなのか確認する
- その情報を発信している人が誰なのか確認する
といったように、情報の根本まで調査する習慣を身につけると良いでしょう。
習得したいスキル ②巻き込み力
巻き込み力は、社内広報、インナーブランディングで特に必要な力です。
広報担当者だけが「これについて取り組もう。」と考えているだけでは、社内に浸透することは難しくなります。
例えば、社内メンバーに協力を得なければならない取り組みについてはプレゼンテーションを行なうなどして、活動内容や目的を理解してもらう必要があります。
また、日頃から社員とコミュニケーションを取るようにしましょう。
コミュニケーションは、普段の会話のみに限りません。例えば
- 社内報
- 社内BLOG
- 自社のSNS
などを活用するのに、日頃からコミュニケーションが取れていれば「あなたの活動・活躍を社内報に載せても良いですか」と、雑談のような雰囲気で持ちかけることが可能になります。
広報として社内を巻き込む力は、こうした地道な努力が必要になります。
習得したいスキル ③文章や言葉で伝える力
広報として発信する内容は、ほとんどがWeb上のコンテンツになります。
そのため、誰が読んでも理解できる、癖のない文章で発信することが望ましいです。
普段から間違って使っている文法などは訂正するようにし、適切な言葉選びや表現を身につけましょう。
習得したいスキル④危機管理能力
最後に広報の仕事で最も大切なのが、危機管理能力になります。
この能力に欠けると社内外に混乱が生じ、最悪の場合お互いの信頼関係に悪い影響を与えてしまうことがあります。
そのため、情報を発信する=(情報漏洩などの)リスクが常にあると心得ましょう。
万が一トラブルが発生した場合は、素早く柔軟に対応することも求められます。
令和の広報担当に求められること
広報担当が求められていることは、以下の3点です。
- SNSなどを活用して継続的に情報発信する
- オンライン交流会などに積極的に参加する
- 自社の魅力を伝える企画力
時代の流れとともに広報に求められることが大きく変化しています。
社会情勢の変化により、働き方が多様になり、情報発信をする場所も多様化したことにあります。
数ある情報発信をする場所の中で自社に最適なものを探し、継続的に発信し続けられるものを選びましょう。
また、コロナ禍の影響により、オンラインでの広報活動も重要視されています。
それらを踏まえた上で、上記3点について詳しく解説していきます。
SNSを使って継続的に情報を発信する
今では多くの企業がTwitterで企業アカウントを運用しています。
あるいはInstagramやTiktokを活用し、企業への認知度向上や顧客・消費者とのタッチポイントを増やそうと活動しています。
これらのSNSを運用しているのは、広報担当であることがほとんどです。
また、個人のビジネスアカウントを作り、会社の出来事や、広報担当者自身の人柄を発信することで、企業イメージを左右するとも言われています。
情報発信は、各SNSの特性を踏まえた上で行うと良いでしょう。
SNS別に情報発信する際のポイントを解説します。
Twitter: ①1日1ツイートを徹底する ②企業アカウントでは人格を持たせるとフォローされやすい ③会社の宣伝だけではなく、日常的なツイートが好印象になる ④企業アカウント同士で繋がりを増やしておく |
Instagram: ①情報を届けたいターゲットがSNSを使う時間を想定して計画的に投稿する ②投稿する写真の見栄えにこだわる ③投稿の内容は長すぎないように工夫する ④シェアやコメントには積極的にアプローチする |
TikTok: ①若年層に向けたコンテンツを発信する ②流行に乗る ③キャッチーなハッシュタグを使って投稿する ④シリーズものの投稿をする |
一方で、このような情報を発信していても、すぐに効果を実感できるわけではありません。
継続的に情報発信をしていくことで、フォロワーが増加し、自社の認知度向上が見込めます。
それゆえ広報活動に忍耐力を持って取り組むことが必要です。
オンライン交流会などに積極的に参加する
広報担当者は、横のつながりがとても強い仕事になります。
企業という垣根を超えて情報交換をすることで、お互いの勉強になり、刺激を受けることでより広報の質を向上させることができます。
企業の顔として認知してもらうことで広報担当として、企業の情報を発信したときの影響力の拡大にもつながります。
そのため交流会には積極的に参加しましょう。
自社の魅力を伝える企画力
広報が発信する内容は、
- どのような情報を伝えたいのか
- どのようなイメージを持ってもらいたいのか
を明確化する必要があります。
そのため、流れとして
- 広報活動の目的を定める
- その目的が伝わる企画を用意する
- 発信する
というステップを踏むことで、発信したい情報のブレを抑制することができます。
広報の求人募集を掲載するときのポイント
広報を募集する際、ミスマッチをできる限り少なくするための掲載方法を解説します。
ポイントは2点です。
- 業務内容を詳しく掲載する
- スキルや広報経験が必要かを掲載する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
業務内容を詳しく掲載する
まずは、業務内容を詳しく掲載しましょう。
広報としての活動や業務内容をあえて詳細に掲載することで、それらを得意とする(あるいはやりたいという意志のある)求職者を募りやすくするためです。
例えば、
- 自社の広報活動の目標と目的
- 広報活動の内容(SNS運用、プレスリリース、取材対応)
- 今後取り組みたい広報活動の範囲(例:採用広報を行っていきたい)
などを求人掲載の時点で求職者に共感してもらえるよう情報を掲載していきましょう。
これらに共感し、同じビジョンを目指している人材の募集を集められます。
また、社会事情に伴って、リモートワークを希望する求職者も少なくありません。
リモートワークができるかなど、出社義務について提示しておくのも有効です。
広報の仕事内容は企業によってさまざまで、業務の幅が広く多岐にわたります。
それゆえに広報の広報の求人情報を掲載する際も、抽象的になってしまいがちです。
あえて詳細に掲載することで、自社が求める人材が集まりやすくなります。
スキルや広報経験が必要がどうかを掲載する
広報としてのスキルや経験が必要なのかどうかについても掲載しましょう。
先にもお伝えしましたが、広報という仕事にはさまざまな業務があるため、実務を通してスキル、経験を磨いていく職業です。
ですが、広報の募集と聞くと「経験を問われるのではないか」という印象が強いのも事実です。
そのため、未経験からでも始められるのか、あるいは経験のある広報担当を採用したい場合は、その旨を掲載しましょう。
入社後に広報について教えてもらえる環境があるのか、あるいは勉強会に自ら参加して習得することを望んでいるのかを提示しておくと、より効果的です。
まとめ
広報の業務内容、必要なスキルを、以下にまとめました。
①広報には社内広報と社外広報がある
- インナーブランディング
- アウターブランディング
- 採用活動
を目的とした広報活動がある。
②広報担当者に必要なスキル
- 情報収集力
- 巻き込み力
- 文章や言葉で伝える力
- 危機管理能力
実務を通してこのようなスキルを身につけていきましょう。
③令和の広報担当に求められるスキル
- SNSなどを活用して継続的に情報発信する
- オンライン交流会などに積極的に参加する
- 自社の魅力を伝える企画力
時代とともに変化する広報活動に、柔軟に対応する力と継続力を身につけましょう。
広報担当は企業の垣根を超えたつながりを増やしていくため、人と話すことが好きな人に向いている職業と言えます。
④広報担当者を採用する際の求人掲載のポイント
- 業務内容を詳しく掲載する
- スキルや広報経験が必要かを掲載する
今回ご紹介した内容は、あくまでひとつの例です。
広報として情報発信する際は、情報の受け手の共感を得られるか、がポイントです。
共感を得るには、企業のリアルな姿をできるだけオープンに見せていきましょう。
広報として得るべきスキルは多くありますが、質の良いコンテンツ作りと継続的な情報発信を心がけていきましょう。