当記事では、採用のミスマッチを減らすヒントについて解説していきます。
この記事を読むことで、以下の理解が深まります。
- 企業と求職者の価値観をすり合わせる理由
- 価値観とカルチャーフィットの考え方について
- より効果的に価値観を共有する方法
「せっかく採用したのに新入社員のやる気が感じられない。すぐに辞めてしまう社員もいる。どうしたらいいのか。」
このような問題を抱えている場合、採用のミスマッチが起きている可能性があります。
採用のミスマッチは「求職者と企業の価値観が合わない」あるいは、「求職者が企業の価値観に共感していない」という状態のまま採用した場合に起こりやすくなります。
採用のミスマッチは、仕事へのモチベーションが低下し、早期離職などを引き起こす可能性が高く、双方ともにデメリットになります。
そこで今回は、採用のミスマッチを防ぐために効果的な価値観の共有方法について解説していきます。
目次
採用における価値観とは
まず、応募した求職者の価値観が、必ずしも企業の価値観と一致しているとは限りません。
価値観が一致した求職者を採用したいのであれば、企業が大切にしている価値観を求職者が確認できる状態にしておく必要があります。
企業の価値観を求職者が確認し共感できなければ、採用のミスマッチの可能性が高まり、早期離職による定着率悪化の要因となってしまいます。
企業の価値観を求職者に共感してもらうには、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)や企業理念などを採用活動を通して分かりやすく発信していきましょう。
企業の価値観とは
企業の価値観はMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)や企業理念などで表すことができます。
しかし、MVVと企業理念は同じものではないため、発信する際は明確に違いを提示する必要があります。
企業理念とは 企業が大切にしている考えや価値観その企業の印象を決める考え方、価値観社員の行動指針や何かを判断するときの基準社内と社外に対して自社の在り方や目的を示すもの |
MVVとは 企業が果たすべき使命(ミッション) その企業の長期的に目指すゴール、将来像(ビジョン) その企業がビジョンや目的を達成するために規範となる行動を定めた行動指針(バリュー) |
ポイントは、具体的にどのような取り組みをしているのかを発信していくことです。
例えば、企業理念やMVVをもとに
- どのような課題解決に向けて事業を展開しているのか
- どのような働き方ができるのか
- どのような福利厚生があるのか
- どのような評価制度があるのか
- どのようなイベントがあるのか
- トラブルなどがあった際はどのように対処するのか
などを採用活動においても発信していけると良いでしょう。
求職者の価値観
まずは「どの世代のどのような人材を採用したいのか」を、明確に定めておきましょう。
求職者が持つ価値観は、世代やバックグランドなどによってさまざまだからです。
その人の生活スタイルによって、働き方や働く環境などでも「仕事への価値観」が変わってきます。
その上で、企業が抱く価値観を求職者に共感してもらうには、
- ターゲットを決める
- ターゲットがどんな世代なのかを知る
- ターゲットが大切にしていることを知る
- ターゲットに刺さる情報がなにかを精査する
- ターゲットがよく使う媒体を通して情報を発信していく
という手順を踏むことが効果的です。
「こうなりたい、こんなことをしたい」という理想のキャリアパスを思い描いている求職者もいます。
「自分の求める未来像がその企業で叶えられるのか」という求職者の願望を、企業として汲み取り、理解できる姿勢を見せることも時には必要です。
価値観とカルチャーフィット
カルチャーフィットとは「企業文化にどれだけ合うか」という意味で使われています。
在籍する社員によってつくられる企業文化は、企業が抱く価値観との親和性が高いとされています。
企業の価値観が社員に浸透し共感度が高くなればなるほど、企業文化の浸透性も高まると考えられています。
逆に言えば、スキルや経験だけで判断し、価値観が合わない求職者を採用してしまうと、カルチャーフィットしにくく、定着しない可能性が高まってしまうのです。
カルチャーフィットのメリット
カルチャーフィットのメリットは、以下が挙げられます。
- カルチャーフィットしているので離職率は低く定着する可能性が高い
- 企業理念を理解しているので自発的に行動し、生産性をあげることができる
- カルチャーフィットしている社員同士で余計なコミュニケーションコストがかからない
カルチャーフィットの度合いによって、入社後の定着率が高まるだけでなく、仕事へのパフォーマンス向上、強いては社員間の生産性も高まることも期待できます。
カルチャーフィットしていないとどうなる?
カルチャーフィットしていない、つまり、企業の価値観に合わない求職者を採用した場合、以下のデメリットが生じる可能性があります。
- 周りの社員とのズレが発生し、溝が深まり、やがて孤立してしまう
- 帰属意識が向上せず、プロジェクトやミッションが終了した際に離職してしまう
求職者の中には「待遇が良ければそれでいい」という考えを持って仕事に臨む人ばかりではありません。
たとえ待遇が良くても、人間関係や評価制度などに不満を抱いてしまうと「もっと自分にとって良い環境があるのでは」と、転職を検討する場合もあるでしょう。
事前に企業の価値観に共感していれば、カルチャーフィットに期待でき、優秀で即戦力になる人材を手放すことが無くなるのです。
カルチャーフィットではなく、カルチャーアドという考え方
「カルチャーフィット」に対し「カルチャーアド」という考え方もあります。
カルチャーアドとは「カルチャー:culture(企業文化)を、アド:add(追加)する」という考え方です。
社内やチーム、組織に、今までにない新しい視点をもたらしてくれる人材を受け入れることを指します。
カルチャーフィットが組織の現状維持に値することに対し、カルチャーアドは組織に新しい進化をもたらす可能性があります。
カルチャーアドという考え方を持って採用活動を行うことで、企業理念という土台のもと、多角的にイノベートする組織になり得るかもしれません。
多様性ある組織づくりをしていきたい場合には、カルチャーアドという視点を持って採用活動してみると良いでしょう。
価値観と企業文化の言語化
企業が抱く価値観や企業文化を求職者に共感してもらうには、わかりやすい言葉で発信し、認知してもらうことから始めましょう。
そのためには、
- MVV
- クレド
など、言語化した企業理念を作成することが効果的です。
何となく雰囲気や印象で伝えるよりも、言語化することで価値観や企業文化に共感できる求職者を集めやすくなるでしょう。
その企業理念(価値観)を掲げた経緯を含めて、情報を発信することで、理解・共感される可能性が高まります。
求職者と企業の価値観のすり合わせは「情報開示」が重要
企業の価値観と求職者の価値観とのすり合わせで、最も効果的な方法が「情報開示」です。
求職者の多くは、気になる企業のコーポレートサイトや求人媒体、その他メディアやSNSを通して情報収集します。
そのため、企業文化や価値観につながる情報、あるいは言語化した価値観を記載しているコンテンツ(記事や動画)があれば、目立つように設置すると良いでしょう。
求職者の目に留まることで、企業の価値観を理解・共感させることに繋がりやすくなります。
まとめ
採用のミスマッチを減らしたいのであれば、企業の価値観と求職者の価値観をすり合わせられるようにしましょう。
そのためには、
- MVV、企業理念を分かりやすく情報開示する
- どのような人材採用したいのかターゲットを定めておく
- カルチャーフィット、カルチャーアドの考えを理解しておく
といった施策が効果的です。
採用活動において「求職者の価値観はどのようなことか。働く上で重要視していることは何か。」を正しく見抜くことは簡単なことではありません。
だからこそ、企業理念・企業文化などの情報開示が大切であり、長期的な視野を持って少しずつ取り組む必要があるのです。
採用のミスマッチを防止するには、出来ることからコツコツと継続していくほかありません。
一方で、自社だけで行う以外にも方法があります。
例えば「採用に特化した広報支援サービスを活用する」という手段です。
中でも、当社が運営している採用広報支援サービス『Fanca(ファンカ)』は、自社メディアを通して発信することはもちろん、認知度を高めるための施策も合わせたご提案が可能です。
詳しくは以下の記事で解説しています。
採用のミスマッチを改善したい方は、ぜひご覧ください。